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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信884 ・アメリカ自身が「ならず者国家」ではないでしょうか 

2011-05-09 06:32:05 | 日記
おはようございます。「この星に人のゐるべく水温む」(今朝の朝日俳壇より)
生き生き箕面通信884(110509)をお届けします。

・アメリカ自身が「ならず者国家」ではないでしょうか

 「9・11」の首謀者とされるオサマ・ビンラディン容疑者の殺害状況が明らかにされつつあります。浮かび上がってきたのは「アメリカの復讐」であり、「恨みには恨みをもってす」という力の論理です。それで平和はもたらされるのか、という疑問が残ります。

 「やつを仕留めたぞ(ウィ・ガット・ヒム)」がオバマ大統領の第一声だったと伝えられています。ビンラディン容疑者殺害が確認された瞬間の模様です。まるで獲物狩りで獲物を仕留めたときと同じです。それが大国アメリカの大統領の言葉です。その大統領の言葉をアメリカ国民の多くが「イエス・ウィ・クッド」と、共感をもって受け入れたようです。

 そのときビンラディン容疑者は、丸腰だった。周りに武装した護衛がいたわけでもない。しかし、アメリカの特殊部隊は全員射殺した模様です。妻を始め女性や子供をどうしたかは、まったく情報を閉じたままです。そして、すぐに海に流して水葬にしてしまった。「口封じ」であり、「証拠隠し」です。

 そもそもパキスタンという”独立国”の領土内に事前承認や事前通告すらせずに「侵犯」して、人間を殺害する。一国の大統領が命じた「暗殺」をやってのける。国際法を無視し、一人の人間を虫けらのように殺害して、大統領自身が「やったぜ、ベイビー」と喜びをあらわす感覚。

 中国などには「人権擁護」を説いてみせるアメリカです。「自分はやってもいいが、他人はいけない」という典型的な二枚舌、ダブル・スタンダードです。

 老子の言葉に「報恨以徳」(恨みに報いるに徳を以ってす)があります。これが王者の道だと教えています。アメリカは「恨みに報いるに恨みを以ってす」です。「9・11」以来、アフガニスタンを攻め、イラクに戦争を仕掛けて、どれだけ多くの人を殺し、どれだけ多くのを難民としたことか。アメリカはここ10年間、「テロとの戦い」を叫んで「恨みの連鎖」を続けてきました。

 他国を無断で侵犯し、裁判にもかけずに「暗殺」する。これは「ならず者」がする所業です。アメリカがイランや北朝鮮などを「ならず者国家」と呼びました。自分がやっていることは棚に上げています。

 それに対して、日本のメディアはほとんど異を唱えていません。「アメリカもやられたのだから、そのくらいやり返すのも分からないではない」という感覚です。本来なら、ビンラディン容疑者を生きたまま捕えて裁判にかけ、「9・11の真実」も検証すべきでした。それを口封じした以上、アメリカの大統領を国際裁判の法廷で裁き、「オサマ・ビンラディンの真実」を「9・11」にさかのぼって検証すべきだと思います。

 いずれにせよ、ひとつだけ明らかなことがあります。恨みに恨みで報いるだけでは、「恨みの連鎖」が続くだけですよね。どこかで「許し」を発揮し、「寛容の精神」で和解を始めるほかないのではないでしょうか。日本には「以和為貴」(和を以って貴しと為す)という言葉もあります。日本がなんらかの役割を果たすことができるはずです。