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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信878 ・深みにはまるアメリカ――オサマ・ビンラディン殺害

2011-05-03 06:54:19 | 日記
おはようございます。イスラム世界で「殉教」「弔い合戦」「ジハード(聖戦)」の意識に火がついたのではないでしょうか。
生き生き箕面通信878(110503)をお届けします。

・深みにはまるアメリカ――オサマ・ビンラディン殺害

 「9・11」の首謀者とされるオサマ・ビンラディン容疑者を「殺害した」とオバマ米大統領が1日発表しました。アメリカの国民のなかには「USA!USA!」と叫んで喜びを表す人たちも多かったようです。一方で、「報復テロが起きる」と警戒する向きもあります。手放しでは喜べないというのが、率直なところではないでしょうか。

 ビンラディン殺害によってアメリカは、「テロとの戦い」で大きな戦果を挙げ勝利したと評価する見方が多くあります。しかし、アメリカはますます深みにはまったように見えます。

 オバマ大統領自身、緊急の演説で「テロとの戦いは続く」と言明しています。ビンラディンは死んだけれども、「小さなビンラディン」は無数に残っていることを認めているわけです。アメリカはかつてベトナム戦争において、圧倒的な軍事力を有しながら敗退しました。現在もイラク、アフガンで着実に勝利しているわけではありません。むしろ、アメリカの国力は着実に衰退に向かっています。

 オバマ大統領を選んだとき、アメリカの有権者はイラク戦争の終結という「チェンジ」を期待しました。ところが、オバマ氏はアメリカの産軍複合体とすぐに手を握り、以後、産軍複合体の意を体してアフガンにも戦火を拡大しました。

 今回は、あと4か月で「9・11」事件からちょうど10年の節目を前に、「10年も経つのにまだビンラディン一人何んともできないのか」という米国民の不満が高まるタイミングでの「区切り」でした。来年は大統領選挙。「テロとの戦い」に強い大統領のイメージづくりには絶好の時期でした。

 しかし、そもそもビンラーディン容疑者が「9・11」事件の真犯人だという証拠が明らかにされたことはありません。当時のブッシュ大統領が事件から4日後の9月15日に証拠もあいまいなまま、「オサマ・ビンラディンとアルカイダが犯人だ」と断定したにすぎません。

 今回は、真犯人という証拠をうやむやにしたまま、「口をふさいでしまった」ともいえます。ちなみに
3年ほど前、ブッシュ大統領の報道官ペリーノさんがホワイトハウスでの記者会見で「9・11の真犯人はオサマ・ビンラディンではない」と認める発言をしています。(今でも「ペリーノ報道官」で検索すると記者会見発言が動画でアップされます) 

 なぜ、テロが起きるのか。アメリカがイスラム圏に軍隊を駐留し、石油利権を確保しつつ、市場原理主義の市場創設を進めているからです。イスラムの人々は、アメリカ軍に「アラブ、イスラム圏から出て行ってほしい」といっているだけなのです。

 中世のヨーロッパは「十字軍」を仕立ててアラブを攻めたことがありました。いまはアメリカが同じことをしているわけです。アメリカが撤退し、「アラブのことはアラブに任せ、イスラムのことはイスラムの人々に任せれば、テロはほぼなくなるはずです。簡単なことです。しかし、油などの利権にしがみつくアメリカの「帝国主義」が強大な軍隊を駐留させ、あたかも占領軍のような振る舞いに見えることがテロを誘発しています。

 4か月後の「9・11から10年」をアメリカは最大の警戒態勢で迎えることになります。「平和が近い」という状況はとてもつくれません。むしろ深みにはまりおぼれつつあるのです。オバマさんの「チェンジ」はまやかしだったようです。