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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信897 ・朝日新聞が「脱原発へそろり転換

2011-05-22 07:27:33 | 日記
おはようございます。中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領とともに菅直人首相は本日、3か国首脳会議を行い、その後の首脳宣言で「原発の安全性に対する協力関係と、原発推進」を打ち出すようです。
生き生き箕面通信897(110522)をお届けします。

・朝日新聞が「脱原発」へそろり転換

 朝日新聞の本日の社説は、「自然エネルギー社会へ」を主見出しに立てました。袖見出しは、「北欧が示す未来図」。北欧の国に例をとりながら、「未来へ目を向けて、自然エネルギー拡充への手を打っておくことは私たちの世代の責務だろう」「日本の産業界には、北欧に負けないほどの技術の蓄積がある。電力業界や省庁の既得権益の壁を打破し、自然エネルギー社会へと離陸する。日本はその力を十分持っている」と結論づけました。

 「脱原発」という言葉はひとつも使わず、その代わり「脱化石燃料」という語しか使っていません。しかし、それでも十分に「脱原発」を連想させる内容でした。逆に言えば、朝日にしろ、いま原発に対する見直し機運が高まっているこの時点でも「脱原発」という表現でエネルギー政策の転換を打ち出すのははばかられる、という日本の言論状況を示すものでもあります。

 今日の社説を書いた論説委員は、これを書くためにデンマークとスウェーデンに飛んだようです。デンマークでの風力発電やスウェーデンのエコタウンの見聞を紹介していました。そのうえで、「日本はいま、原発事故への対応と夏の電力不足という難題に直面している」「まずは北欧の経験を、東日本大震災の被災地の復興に生かせないだろうか」と、北欧に学ぶことを提唱。具体的には、「大量のがれきから木材を仕分けて、発電や地域暖房に利用できないか。エネルギーの地産地消に近づくため風力・太陽光発電、さらに小型水力や地熱利用にも挑戦したい」と提案しました。

 片や読売新聞は、相変わらず「原発必論」の立場です。「日本のエネルギー政策に原発は欠かせない」という立場を堅持しています。「資源小国の日本がいつまでも化石燃料の輸入に頼ることはできない。原発をやめれば、電力不足に陥る。といって、また化石燃料に頼れば、温暖化ガスを排出する。『脱化石燃料』こそ課題だ。そのためにも原発は必要である」という立場です。読売は変わらないでしょう。読売の社論を牛耳っているドン、渡邉恒雄氏がいなくならない限り、「原発推進論」の立場です。

 菅直人という首相の立場にある人間は、ふらふらで腰が定まりません。浜岡原発を止めさせましたが、相変わらずの人気取り先行で、防潮堤ができる2年先くらいにはまた運転する可能性があるとしています。間もなく始まるフランスでの主要8か国(G8)首脳会議でも、菅直人という人間は「日本は世界最高の技術で安全な原発を開発する」と、表明するつもりにしています。原発という問題に対する哲学をまったく欠いているため、そんな馬鹿げたことを得意げに話すという。 

 急流にあっても、馬は乗り換えざるを得ないときがあります。馬が急流に流されてしまうなら、その上に乗っている私たちも一緒に流されてしまうのです。

 「脱原発」へそろりカジを切ったように見える朝日新聞ですが、菅体制は擁護の立場です。かたくなに「急流で馬を乗り換えるな」となんとかのひとつ覚えを繰り返しているのは、残念なことです。