カルテ番号 せ・14 （9）
関谷守を会社に送り出した後、妻は治療院に電話した。
そして夫が元気に変わったお礼を言い、自分は明日に予約を入れた。
帰宅した夫に明日気功を受けに行くことを告げた。
「いいと思うけど、何か気になることでもあるのかい？」
「実は少し更年期の入り口なのね。私ももっと元気になりたいの」
妻は笑ってそう答えた。
次の日、予約は午前中だった。
道も順調で、予定よりも早く治療院に着いた。
院長は淡々と挨拶をしてくれて、簡単な記入を済ませた。
「特に病にも思えませんが、何か相談事でしょうか？」
マットに横になってから、そう訊ねてきた。
「先生に教えて欲しい事がありますが、気功で元気にもなりたいです」
「はいはい」
手を身体に当てられると、とても温かい。
熱いに近いほど温かい。
手が温かい人はいるが、これは度を越している。
淡々と自然にしているが、これはとんでもない能力だ。
そして、多分、この先生なら何でも答えてくれそうだ。
どう切り出そうか？
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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