水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・439」

2014-12-31 19:41:24 | Weblog



カルテ番号 は・9(35)

原奈緒子はそれに答えて言った。
「私は正しさなんて求めていません。
というよりも、どう考え、どう扱っていいのか見当がつかないのです。
何もわからないのに、突き上げる何かがあるのです。
戸惑っているのです。
これは夫婦問題とは別な、私個人の内部の事だと思っています」

院長はうなずいた。
「それなら原さんのお話を聞きましょう。
そして、あくまで私の勝手なアドバイスとしてなら答えます」
「もちろん、それで結構です」
原奈緒子は出来るだけ正直に自分の思いを語った。
話せば話すほど、いろいろが思い出される。
それは、中学生の頃まで遡っていた。

それからの原奈緒子は、週一で通うことにした。
知らなかった世界がどんどん広がる。
それは、とても素敵なものだった。
秘密の世界だから、知っている人だけしか知らない世界でもある。
思い切って、一歩踏み出せて、本当に良かったと思う。
もちろん、具体的な内容は秘密。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・438」

2014-12-30 19:26:42 | Weblog



カルテ番号 は・9(34)

「先生、前回は性についての講義を拝受しましたが、まだ解りません」
少しおどけた感じでそう言ってみた。
「そうですね。性と生命は同じですから、解るというよりも、そういう相手だと認めていただければいいのです。
そして、あれは基礎というか全般の話でしたね。
生命も一般的、普遍的な話と、個人的な生命や生き方は別に考えて下さい。
個人的な事を補う、あるいは理解する為に普遍的があるのです。
生命も性も主は個人であり、普遍的は補助と考えた方がいいと思います」

原奈緒子は気負いなく性の話を切り出せる自分に驚いていた。
今まで、決して口にしない事だったのに。
「その個人的な性の悩みというか、どう扱っていいのかを教えて下さい。
それが、一番知りたいことのような気がします」
院長は少し黙ってから、話し出した。
「普遍的な性の話は、学校や社会でもっとオープンに扱う大切なものです。
ですが、個人的な性の話は、秘密に扱うものなのです」

院長の言わんとしている事はわかる。
「教えていただけない、という事ですか?」
「そうではありません。
ですが、最終的な判断や選択は本人なのです。
他人からの話は、あくまで一つのヒントやアドバイスにすぎません。
正しい道や方法ではないのです。
正しさを追い求めているなら、それは間違いです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・437」

2014-12-29 18:59:47 | Weblog



カルテ番号 は・9(33)

例えば夫婦関係をどうするか?
続けるか別れるか?
自然体とは、どういう行動か?
原奈緒子は院長に訊ねた。
「自然体って、特に何もしないことですか?」
「基本は待ちの姿勢ですが、動きたくなったら、そのまま行動します」

続ける、別れるではなくて、次の行動意欲が来るまで、今のままということか。
なるほど。そう考えれば、待つのも悪くない。
「自然体は、無理をしない姿勢でもあります。
肩の力を抜く、余分な力を抜くことでもあります。
そして、動きたくなれば、それも無理して抑えない」

自分の仕事を持ちたい、という思い。
それも、具体的なものが固まるなら動く。
あるいは、何でもいいから行動したくなったら、動く。
これから、冷静に自分に問いかければいいのか。
無理して動かない。
無理して、抑えない。

もう一つ、性の問題がある。
これは、どうしたらいいのだろう。
自然体といっても、闇の中だから動きようがない。
これは、アドバイスが必要だろうと思う。
前回の院長の話の続きが聞きたくなった。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・436」

2014-12-28 20:00:11 | Weblog



カルテ番号 は・9(32)

原奈緒子は安心と気持ちいいを味わいながら、言った。
「でも先生、現実にどれを選択していいのか判りません」
「道に正解というのは、無いと思います。
どの選択肢を選んでも、歩きながら育てていくものだと思います。
迷ったら・・・とりあえず、立ち止まって深呼吸ですね。
それから、一番良い姿勢をするのです」

原奈緒子は院長の言葉がイマイチ理解できなかった。
「良い姿勢って、どういうことですか?」
「良い、というのは、生命にとってという前提があります。
良い姿勢とは、自然体のことです。
迷ったら、自然体。
この言葉を憶えておいて下さいね。
きっと、この先も助けになると思いますよ」

迷ったら、自然体。
その自然体が難しいと思う。
そんな原奈緒子の思いを知らず、院長は話を続けた。
「自然体を心がけると、道は勝手に開いたり、見えてきたりします。
下手に自分で決めるよりも、自然体に任せる方が上手くいくようです。
あるいは、自分で意識できない深いところからの判断をしてくれるようです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・435」

2014-12-27 19:02:31 | Weblog



カルテ番号 は・9(31)

院長の言葉は続く。
「人は未完成、いいえ、欠陥品かもしれません。
それは良いとか悪いとかとは別の問題ですよ。
とにかく、現実として未完成ですね。
だから、苦しみがあり、迷いがあり、戸惑いがあります。
これらが無い人間はいません。
解脱と称して、それらから解放されるという宗教は・・・
まぁ、嘘か勘違いか詐欺でしょうね。
全て解放されたら、人間の形は保てませんから」

原奈緒子は素直に思った。
悩みは、あるのが当たり前なのか。
「悩みが有る、というのは前提条件です。
生きている、と同じ前提条件です。
固有の悩みをどうするか、が取り組む相手です。
固有の悩みは縮小も消すことも出来るのですから。
でも、それを消しても、別の悩みが浮かび上がります」

院長は原奈緒子をうつ伏せにして、背中に手を当てた。
肩甲骨の真ん中。
少しすると、安心、という意味が解った気がした。
心か心臓かはともかく、安らぐのだ。
「生命力が高いと、例えば子供達ですね。
やりたい事、知りたい事、なりたい自分が幾つもあります。
原さんが、したい事が幾つもあるというのは、とても良いことですよ。
したい事が何も無い、というのとは、正反対の状態です」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・434」

2014-12-26 19:16:43 | Weblog



カルテ番号 は・9(30)

院長は原奈緒子の頭を触りながら言った。
「私の治療は生命力の活性が柱です。
それは身体も心の悩みでも同じです。
生命力が活性すると、病み、奈病(悩み)は縮小し、やがて消えます。
ですから、病みの原因などは絶対条件ではないのです。
悩みの種をほじくらなくても、悩みは解決できるのですねぇ」

それは前回で実感している。
具体的に話していないのに、悩み自体が軽く小さくなっていた。
「元々、原さんは生命力が高いのです。
人は平等ではありません。
元々が高い人もいれば、低い人もいる。
それは、あらゆる能力や形や素質も様々です。
中でも、生命が中心ですから生命力が高いというのは、とても恵まれています。
原さんは、生まれながらに恵まれているのですよ」

ほめられているらしい。
「でも先生、悩みはずっとありますよ」
院長は笑った。
「悩みはあるのです、って言ったでしょ。
誰にも、必ず付いているのです。
生きている、って悩み付きなのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・433」

2014-12-25 19:12:23 | Weblog



カルテ番号 は・9(29)

思いは千々に乱れたまま、次の予約日が来た。
「先生、考えがまとまりませんでした。
自分がどうしたいのか、幾つもあるのです」
院長はにっこり笑って言った。
「よかったですねぇ、幾つもあるなんて」

原奈緒子としては、またしても予想外の言葉だった。
「どうしてですか、よく考えてきて下さい、と言ったのは先生ですよ」
院長はにこにこしたまま、
「よく考えたのでしょう?
そうしたら、幾つもあったのですね。
よかったじゃないですか」と言った。

「でも。整理できてないですよ。
決められなかったし」
院長はそっと頭を指で押さえて言った。
「いいえ、結構整理できているようですよ。
それに、私は決めて下さいとは言いません。
何よりも、どうなりたいのか幾つもあるのがいいですね」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・432」

2014-12-24 18:38:16 | Weblog



カルテ番号 は・9(28)

原奈緒子は自分自身に問いかける。
本当に夫と心が溶けあうような夫婦になりたいのか?
あるいは、生活上の夫婦でいいと思うのか?
あるいは、思い切って離婚し、新たな道を歩みたいのか?
その場合でも、新たな結婚を視野に入れるか、一人で自立するか?

それぞれに長短があり、それぞれに道もある気がする。
結局、未だ決心はできていない。
そして、夫婦、家族、家庭とは別な思いがある。
それは、女としての自分。
それに大きく関わる、性の問題。
これらは、自分の内部の問題であり、夫婦関係とは別な世界だ。

更に自分の仕事を持ちたいという気持ちもある。
それは、自立や独立にも通じるかもしれない。
が、今までの夫婦を続けても、持ちたいと思う。
生活の収入もあるが、生き甲斐としての仕事を持ちたいのだ。
友人の野上香織は店を持っている。
例えば、そのように出来れば、とも思っていた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・431」

2014-12-23 19:10:50 | Weblog



カルテ番号 は・9(27)

心の交流が無くなった夫婦。
選択肢は幾つかあるだろう。
夫婦を続ける。
それは、家族を続けるということでもある。
交流を復活すべく努力する。
あるいは、今の仮面夫婦のままでも続けられる。

結婚のメリットの一つに経済的に楽になることがある。
収入があり、お互いが健康であるという条件付きだが。
生活する上で、それは大きな問題だ。
だから、心の交流ウンヌンよりも、経済的を優先するのもいい。
経済的というのは、ある意味、一番大きな理由でもある。
原家にとっても、今の夫の収入が最大の魅力でもある。

心の交流が上手くいくなら、それにこしたことはない。
理屈ではわかっている。
だが、心が離れてから何年も経つ。
感情は、理屈ではないのだ。
嫌いでも、好きでもない。
関心が無くなったのは、復活には致命的なのだろうか。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・430」

2014-12-22 18:59:06 | Weblog



カルテ番号 は・9(26)

改めて冷静に一つ一つ考えてみた。
夫婦のこと。
子供が出来て、家族となった。
その場を家庭とした。
自分はどうしたいのか?

今年、一人息子が家を出た。
未だ学生とはいえ、一人立ちするのも近い。
それは、おそらく、このまま家を出た続きだろう。
息子は以前から、家を出て、都会で暮らしたい、と言っていた。
家族、家庭を息子がどうとらえていたのか、想像しか出来ない。
だが、その原因など探っても意味がないと思える。

息子は自分なりに思って、考えて、人生を歩むのだ。
夫婦関係が良くないから、家庭も良くない。
それを感じた息子が出ていくのは、自分達に責任がある。
そういう考えは、どうやら違うと思える。
独立、というのは、原因を探ることではない。

それは、原奈緒子自身も同じ。
息子の独立は、一つの段階の終了なのだ。
子供の為の夫婦であってもいい。
だが、それは終了したのだ。
今後の夫婦をどうするかは、夫の問題であり、妻の問題である。
夫の考えもあるだろうが、今は妻としての自分の問題だ。

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