水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1294」

2017-05-31 20:40:20 | Weblog



カルテ番号 わ・9(31)

院長は真顔になり、間を置いてから話し出した。
「辛く感じる事、悲しく思う事、嬉しく感じる事、愉しい事。
生きていれば、いろいろあるでしょう。
それらは、先ほど話した個々の心の感じ方ですから。
そして人間ですから、誤解した感じ方も多いですね。
同じ出来事でも、人により正反対の感じ方もありますね。

同じ人でも、時が経ってから正反対の感じ方になる事もあります。
出来事は過去ですから変わらないのに、受け止め方が変わるのです。
出来事に辛い事や悲しい事、嬉しい事が含まれているなら。
そういう表現なら、こうも言えますね。
出来事には、いろいろなモノが含まれている。
そして人は、ある面だけを見て感想を抱く、と。

私がこの世は大きく広く深いと言った意味はそこにあります。
一つの出来事には、とても大きく広く深いモノが含まれています。
一つの出来事でさえ、大きくて深いのですよ。
ならば、それらが寄せ集まり、一瞬一瞬が積み重なっているのです。
この世の大きさ、広さ、深さは人では計り知れないですよね。
想像さえ出来ないくらい、大きく広く深い」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1293」

2017-05-30 16:50:39 | Weblog



カルテ番号 わ・9(30)

洋子は院長の言葉を真剣に受け止めた。
辛い事ではなく、辛い事だと思い込んだ出来事・・・
少しだけだが、世界が広がった気がした。
「でも、先生、肉親が亡くなるのは悲しい出来事です。
誰でも同じではないですか?」
院長は頷いた。

「そうですね。悲しく辛い出来事ですね。
それでも、誰でも同じではないのです。
例えば、赤ちゃん時からの孤児だった人。
そんな悲しい想いさえ味わえない人達もいます。
あるいは、肉親が亡くなり、ホッとする人達もいます。
肉親の死でさえ、人様々なのですよ」

誰でも同じだと思い込んでいた洋子だった。
言われてみれば、肉親を憎む人達は少なくない。
悲しく辛い出来事は、そう感じるから・・・
「先生、いつか悲しいと思い込んでいた事も変わりますか?
辛い事も変わりますか?
私・・・幸せになれますか?」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1292」

2017-05-29 18:22:22 | Weblog



カルテ番号 わ・9(29)

洋子は院長の言葉に混乱した。
そんな洋子を見て、院長の言葉は続く。
「辛い事、それは、その人が辛いと感じた事です。
辛い事があったのではありません。
洋子さん自身や関係者には辛い事です。
でも、全く関係ない人は、何も感じていないのです。
少なくても、辛い事とは思っていないでしょう。

とはいえ、辛い事と感じている人には辛い事です。
あるいは、辛いと感じている最中は辛い事です。
それでも辛い事が固定しているわけではないのです。
時が経って、和らぐ事もあるでしょう。
また、自分の誤解や不理解が溶ける事もあるでしょう。
その事が辛い事ではなく、辛いと思い込んでいたと気づくでしょう。

ある人の言葉で辛く悲しい思いをしたとします。
それは辛い事や悲しい事だと思ってしまいます。
ですが、後に誤解だった、言葉が足りなかった、という事があります。
すると、辛い事は逆に思いやりに満ちた事だったとなる場合もあります。
それは辛い出来事ではなく、辛い出来事だと思い込んでいたわけです。
だから当事者以外には、特に感想のない出来事でもあるのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1291」

2017-05-28 19:07:11 | Weblog



カルテ番号 わ・9(28)

院長はにっこりと笑って言葉を続けた。
「この世は、私達の知る範囲、理解できる範囲を遥かに超えています。
世界は想像よりも、もっと大きくて広くて深いのですよ」
渡部洋子は院長の言う事を何となく理解した。
そして、何だか安心できた。
今まで自分で思っていた世界よりも広くて大きくて深い。
それなら、素敵な事もあるだろう。

「先生、私の人生って辛くて悲しい事ばかりでした。
これからもそうだと思っていました。
でも、違うのですよね。
素敵な事にも出会えるのですよね」
希望の光にすがる思いで洋子は言った。
ところが院長は、しばらく考えている。

「渡部さん、生きている間にはいろいろあります。
その人にとって、辛い事、悲しい事、苦しい事があります。
それらが大きいと、辛いだけの人生だと思いがちです。
それは、その出来事だけを取り上げているからなのです。
私が先ほど言った世界は大きく、広く、深い。
それは個々のいろいろな出来事が沢山ある、という意味ではありません。
人生、苦も楽もある、という意味ではありません」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1290」

2017-05-27 18:41:22 | Weblog



カルテ番号 わ・9(27)

神様にお願いしたら、奇跡が起きた。
そんな話は古今東西沢山あります。
そのほとんどが勘違いかもしれません。
何しろ、神様って、その人が勝手にイメージしているわけです。
あるいは、宗教組織からのイメージコントロールもあります。
しかも宗教組織は多種多様あり、仲が悪い・・・
相手の悪口を言う宗教組織がほとんどです。
そんな心の小さく狭く根性悪な神様が奇跡を起こすでしょうか?

何でもかんでも奇跡にするのも疑問ですが・・・
ですが、時にはそういう事も起きているでしょう。
本当に回復する事もあるのです。
まぁ、生命は人の作った道徳観とは別な理です。
根性悪な神様でも、ありうるのです。
悪徳宗教組織でも、何処でもドアを所有する事もあるのです。

私も同じです。
私の根性や心は弱く狭く立派とは離れています。
いえいえ、謙遜ではありませんよ。
でも、何処でもドアを持つ縁がありました。
私の精神の高低とドアから流れる氣は別です。
だから、私が認識しなくても影響する事はあります。
というか、そんな事、普通にあるのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1289」

2017-05-26 18:10:52 | Weblog



カルテ番号 わ・9(26)

「どうしてメールで?
あの時点で先生は私を知らないわけでしょう?
私の住所も年齢も名前さえ知らないわけでしょう?
私、自分の名前も教えてなかったのだから・・・」
洋子はその事実を体験しているが、全く納得できなかった。
院長は少し考えてから話し出した。

「この氣は私の氣ではないからでしょうね。
私は自分の氣を出しているのではないのです。
中継しているだけなのです。
ドラえもんの何処でもドアってあるでしょ。
そのドアを持っているようなものです。
そのドアから、その人に必要な氣が出て来るわけです。

例えメールであっても、渡部さんが私に接触したわけです。
そして、必要な氣があったわけです。
私が私の意思でドアを開く事もありますが、そうでない事も多々あります。
ドアは勝手に開いている方が多いようです。
ですから、私に接触し、必要とすると、ドアからその人に流れ込みます。
もちろん量というか濃度はそれほど多くはないでしょう。
それでも、ちょっとした病を治すくらいは流れるようです。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1288」

2017-05-25 19:09:40 | Weblog



カルテ番号 わ・9(25)

「先生、まだお話し続けていいですか?
忙しいのなら、次回にします」
院長は笑った。
「忙しい目に遭ってみたいですねぇ。
ヒマとは一心同体ですから、渡部さんに合わせますよ」
そして、小さなテーブルを挟んで座った。

洋子は訊きたかった事をようやく思い出した。
「先生、私が初めてメールした時です。
その夜から不安が消えて、次の日も楽でした。
でも数日でまた重くなり、またメールしました。
すると、やはり不安が消え、次の日から楽になりました。
ただメールしただけなのに、気功になるのですか?
その影響で楽になったのでしょうか?」

院長はあっさりと言った。
「何か別の要素が無いとは言い切れません。
ですが、ここではよくある事です。
メールだけで会わないで、治療もしないで回復する。
そういう事も結構あります。
だから、ヒマですし、貧乏のままです」
そう言って笑った院長に、やはり見覚えがあった。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1287」

2017-05-24 18:12:33 | Weblog



カルテ番号 わ・9(24)

涙は回復の証。
辛い涙ばかりではない。
嬉しい涙ばかりではない。
余計なモノを出す涙。
身体や心が軽くなる涙。
生命が元気になる証。

今の洋子はとても明るくなっていた。
そして軽く、やわらかく、力が充実している。
訪れて、まだ2時間も経っていない。
人って、簡単に変われるんだ。
洋子は、自分の事ながら感心していた。
院長の指はまだ頭に触れている。
触れている点が熱いくらいに温かい。

気持ち良くて、少しぼや~としていた。
いつ、眠ってしまったのだろう。
院長の言葉で目が覚めた。
「渡部さん、一応2時間経ちましたよ」
言葉は聞こえているが、身体はまだ眠っている。
「はい」
動きたくない身体を、ゆっくりと起き上がらせた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1286」

2017-05-23 19:16:25 | Weblog



カルテ番号 わ・9(23)

安心して泣ける。
悲しくても、嬉しくても、それ以外でも泣ける。
人前で泣くなど、ほとんどなかった。
自分をさらけ出すのは、嫌だった。
それが、少し恥ずかしいが、安心して泣ける。
小学生の頃から、自分に鎧を着て過ごしていたのに。
鎧どころか、裸でも安心できる。

「先生、こんな涙なんてあるのですね」
院長は微笑んで言った。
「ここでは珍しくないですよ。
通常、涙は感情で流します。
でも、ここでは心に溜まっていた何か。
時には身体に溜まっていた何か。
何か、というのは目に見えないモノですが・・・
それが、物質化して出ていきます。

その一つが涙です。
汗や咳や声や尿や便に混じって出る事もあります。
要は、身体や心が正常になろうと活性化している証拠です。
余計なモノ、害になるモノを出す作用です。
ですから、出た分だけ身体も心も軽く感じるはずです。
涙の場合は、心の澱が多いようですね」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1285」

2017-05-22 19:13:09 | Weblog



カルテ番号 わ・9(22)

ティッシュやハンカチでは足りず、院長はタオルを出してくれた。
そのくらい涙は多かった。
洋子も今まで経験した事のない量だ。
母親、妹、父親と悲しい出来事はあった。
涙も流れた。
それでも、これほど泣くことはなかった。

嗚咽は無い。
ただ、涙だけが流れる。
それは、何だか気持ちいい。
涙は枯れるのだろうか?
流しながら、そんなのんびりした事を思った。
涙腺が壊れたかのような涙だったが、やがて止まった。

洋子は明るい声で院長に言った。
「先生、こんなの初めてです。
悲しいわけじゃないのです。
ただ、涙が流れただけです」
少し恥ずかしかったので、言い訳のように話した。
「でも、とても気持ちいいですし、軽くなりました」

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