水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」
カルテ番号 は・9（4）
原奈緒子の悩み。
友人の香織さんは男性恐怖症だった。
自分は男性嫌いでも、恐怖症でもない。
香織さんは夫婦を続けていけなくて離婚という道を選んだ。
自分は迷いながらも、未だに離婚はしていない。
でも香織さんと同じ類の悩みなのだ。
だからこそ、一足早く抜け出している香織さんに嫉妬感情が湧いたのかもしれない。
だからこそ、自分も道が開けるかもしれない期待をしている。
そんなことを考えているうち、治療院に着いた。
暇そうな治療院だ。
うっかりすると、見過ごす。
玄関から声をかけると、
「どうぞぉ」と、少しのんびりした声がした。
それで、気負いすぎている自分に気づいた。
院長は自分よりも少し若いかもしれない。
目立つタイプではない。
男性を意識しないタイプではあるだろう。
香織さんには、それがよかったのかもしれない。
簡単な記入事項を書いて、早速マットに寝て下さい、と言う。
話や事情は気功しながら出来るし、その方がいいのだと言う。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
カルテ番号 は・9（3）
原奈緒子の悩みも他人には言えない。
いや、他人なら言えるのかもしれないが、言わないできた。
だが、肉親や友人には言えない。
それは、自尊心かもしれないし、劣等感かもしれない。
自尊心と劣等感はコインの裏表の関係とか・・・
ある意味、自分と似て、頑なところがある友人が素直になれたのだ。
自分も、その院長になら素直に口に出せるのかもしれない。
解決は期待しないが、口に出せるだけでも大きな変化だと思う。
それだけで、どんなに心が軽くなるだろう。
原奈緒子は、その治療院に行く前から、すでに気持ちが軽くなっていた。
予約した日、原奈緒子はお風呂に入って、新しい下着をつけた。
そんな自分に、何だか初めて彼氏の家に行く時みたいだと、少し笑った。
服装は特に楽なものでなくてもいいらしい。
院長曰く、好きなようにして来てください、とのことだった。
ただし、予約時間に遅れてもいいから安全運転で、と言われたのが嬉しかった。
運転しながら、妙に心が浮ついている自分に気づいて、変だぞ、と思っていた。
まだ、会ったこともないのに・・・
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
カルテ番号 は・9（2）
原奈緒子の心が揺らぐ。
そう、例えれば嫉妬に近いような感情だ。
自分が教えてあげたのに・・・
自分だって、深い悩みがあるのに・・・
友人は、私を置いて、どんどん明るく変わっていく。
自分も、そこに行って変わりたい・・・
でも、何故か、中々、切り出せないでいた。
理不尽な感情だということは、もちろん理解している。
ある日、友人との会話の中で、思い切って言ってみた。
「ね、私も行ってみようかな。
私、何だか更年期かもしれないし・・・
香織さんの話だと、よくわからないけど、どうだろう？」
友人は、ぱっと顔を輝かせて言った。
「よかったぁ。
奈緒子さんから勧められて行ったでしょ。
奈緒子さんにも体験して欲しかったけど、何だか生意気みたいで。
ぜひ、ぜひ、体験してみて。
私が説明できないことが、解ると思うから」
たった一言、素直に言えば済むのに。
ウジウジしていた自分がバカみたい。
原奈緒子は、いつものサッパリとした自分に戻れた気がした。
「私ね、香織さんがあまりにイキイキしていて、少しうらやましかったの。
自分で勧めておいて、自分は未体験だったので、行きたかったのに気が引けていたわ。
体験してみなければ、どんな感じなのかわからないけど、早速行ってみるわ」
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
カルテ番号 は・9（1）
原奈緒子の友人が変わった。
変わるのは、思った通りでもあったが、予想以上に変わった。
原奈緒子は変な予感が働く事がある。
ある日、趣味のドライブに行って見つけた治療院。
その時、最近気落ちしている友人の顔が浮かんだのだ。
ここで、彼女は変われる。
何の根拠もないのだが、予感はそういうものだ。
素直に従って、その治療院に行った友人。
治療後の帰り道で連絡してきた。
その声が、まるで別人のようだった。
明るくイキイキとして、４２歳の友人は、まるで娘のようだった。
友人は離婚経験者の男性恐怖症だった。
その友人が経営する婦人服専門店で、話を聞いた。
その治療院の様子、どんな治療だったのか、そして何で変わったのか？
だが、よくわからない。
その友人も説明できないようだった。
その後も、その治療院に幾度か行っているようだ。
そして、確実に彼女は生まれ変わっていた。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
カルテ番号 あ・28 ６度目（11）
その数日後、愛田恵子から再び電話があった。
「センセー、事の顛末～」
いつもながら、突然の内容だ。
どうやら、事の始まりのスペインの外交官の話らしい。
「アタシとしたことが、間抜けな結果だったわ」
どうやら愛田恵子は独自の情報網があるらしい。
もちろん、余計な詮索をされないように注意している。
そこで、例の外交官が来日したかどうか、調べたようだ。
相手側にも知られないように、３ヶ月経ってから、こっそりと調べた。
来日していた。
そして、すでに、強制帰国させられていた。
「あのね、実は外交官じゃなかったの」
「勘違い？」
「天才的詐欺師」
「愛田さん、騙されていたというわけ？」
さすがに恥ずかしげに言った。
「まぁ、そういうことになるかな。
アタシが見抜けなかったくらいだから。
なんと日本人女性、８人がカモになっていたんだって。
ヨーロッパに旅行に来ている金持ちの女性と親しくなる。
そして、日本でまとめて詐欺をする予定だったらしいわ。
何しろ、日本だと国際詐欺は、やりやすい国だから」
毎日が男の嘘に溢れている職場にいるくせに、ひっかかったわけだ。
それは、さすがに恥ずかしくもなるわな。
「雰囲気が坂本様に似ていた、というのも仕掛けだったのよ。
他の女性には、いかにも色男風やタフガイ風など使い分けていたの。
アタシの弱点とはいえ、アタシもまだまだ修行が足りないわぁ」
そういって、愛田恵子は豪快に笑って電話を切った。
まぁ、何はともあれ、とりあえず団円ということで・・・
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
カルテ番号 あ・28 ６度目（10）
孤独。
誰かと関わりが無い、という孤独。
通常は、家族、友人、知人と疎遠、あるいは無縁の状態。
心は何かにとらわれると、それが大きくなってしまう。
孤独感にとらわれると、とてつもなく大きくなってしまう。
都会の真ん中で、過密な人口の中にいても、孤独感はある。
無人島で、人間はたった一人の状態の孤独感もある。
多くの人と関わり、親交を深め、社会に貢献する。
知り合いが他界する度に寂しさが起こる。
まして、家族なら深い悲しみを伴う。
あの世という世界で、再び会えるかどうかはわからない。
だが、近い将来、自分も同じ世界に旅立つ予定だから、孤独感は薄くなる。
人間、寿命は、だいたい１００年。
それが、自分だけ、その７・８倍生きているとなったら・・・
誰と親交を深めようと、どんなに多くの人と係わろうと、孤独感は消えない。
常に、孤独と共に社会に生きるだけだ。
神、というものが擬人化しているなら・・・・
とても、とても、孤独なのだろうなぁ。
風間陽水は、愛田恵子との話で、そんな風に感じていた。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
カルテ番号 あ・28 ６度目（9）
「センセーは新人でしょ。
でもね、２０年、３０年はすぐ経ってしまうわ。
同じ場所で、４０過ぎから同じような顔していられるのは３０年が限度。
それ以上はウワサになって、メンドウが起こるわ。
そろそろ準備をしておいた方がいいわよ」
同じ場所だと年齢が知れている。
７０過ぎても４０代だと、若いだけじゃすまない。
次第に奇妙に思われてしまう。
「準備っていってもなぁ・・・
身動きとれないくらい、借金に縛られているんだ」
わかっているが、風間陽水は、本当に社会生活が下手だ。
身内や友人、知人との別れは覚悟しなければならない。
最初の１００年は、そういった辛さがあるだろう。
それに耐えられなくて、自ら命を終わらせる同族もいる。
生命力の活性化。
それが、今の風間陽水の仕事だ。
それは、人間の寿命が１００年くらいしかもたないから必要になる。
その間に悩み、苦しみ、悲しむ。
病になれば、もっと辛く、痛く、短い。
何とか本来の寿命まで、健康でいられるようにお手伝いをしている。
だが、生命が通常より遥かに長くなると、別の辛さがあるのだ。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
カルテ番号 あ・28 ６度目（8）
「でね、アタシ、結婚することにしたわ」
いつもながらだが、愛田恵子の話し方は脈絡が無い。
いや、脈絡はあるのだが、途中をとばしているのだ。
「そう」
風間陽水も慣れているので、返事はそっけない。
驚いた振りくらいすればいいのに、相変わらず愛想がない。
「一応、ウワサではハワイに移住するらしいわ。
普通の日系中年のオジさんに恋焦がれて、いるらしいの。
数年かけて、ウワサを小出しにしていくつもり」
なるほど。そして、ある日消えても大丈夫なようにしておくのか。
「今回の事がヒントよ。男を追っかけて外国に行く。
ちょっとロマンチックじゃない？」
まだスペインの外交官が本当はどうだか不明のままだ。
だが、多分、愛田恵子を追っかけて日本に来たわけではないと思う。
愛田恵子は確かに魅力的ではあるが、男女関係が長く続くタイプではない。
まして、結婚には不向きなのは、普通の人でも判るだろう。
それでも、ウワサなら通じるだろう。
気ままな我儘ママとして、ありうると思ってくれるだろう。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
カルテ番号 あ・28 ６度目（7）
ここまで生きてきたのだ。
愛田恵子も用心はしている。
店への連絡は直接しない。
裏方掃除係りのパートのおばちゃんが実は連絡要員でもある。
それは、店の誰も知らないことだった。
外国人のお客も少なくないが、一見（いちげん）客は入らない。
付き添ってくる人で、およその見当はつく。
どうやら、愛田恵子を訪ねて来た外国人はいないようだった。
それでも３ヶ月は顔を出さないで、日本各地を巡っていた。
更に用心を重ねて、この期間、風間陽水のところへも顔を出さなかった。
「センセー、元気してた～？」
あれから３ヶ月が経とうとしていた頃、いつもの電話があった。
「アタシ、一人で各地をまわっていて、いろいろ考えたわ。
そろそろ、次の準備の種まきをしようと思ってるの」
愛田恵子の場合、人前で目立つ位置にいる。
多少はいいが、あまり長く同じ顔でいるのは、何かと話題になってしまう。
次の準備とは、いつか姿を消しても変に思われないようにする事だ。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
カルテ番号 あ・28 ６度目（6）
目的はわからないが、スパイが単純に一個人に近づくはずがない。
「電話番号はともかく、お店の場所とかも教えたのですか？」
「いいえ、電話番号だけ。
でもアタシがお店のオーナーをしている事は話しちゃった」
風間陽水は少し考えた。
「電話番号を変えるのは、できますか？
連絡不能にするのです。
それでも、お店に顔を出したら油断できない事態ということになります」
「わかったわ。とにかくやってみるね」
愛田恵子は東京にとんぼ返りした。
そして、数日後、新しい番号で連絡があった。
「センセー、今、アタシどこだと思う？」
「国内ですね」
「北海道」
「おやおや。それで、スペインの彼氏はどうなりました？」
「知らないわよ。メンドウは嫌だから、３ヶ月の休暇。
それに、彼氏じゃないからね」
愛田恵子は明るい声だった。
風間陽水と同じで、いつまでもネガティブな思いでいられない。
「店はチイママに任せて、この際だから、国内ドライブ。
車だと人に会うのも少なくてすむし。
まだまだ、アタシの行った事のない土地は沢山あるし。
北海道から順に南下してみるね。
時々、お土産を送るよ」
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログ読者は、facebookの友達承認をしますよ。コメント付きで申請して
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)
