水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・898」

2016-04-30 19:19:32 | Weblog



カルテ番号 や・6(36)

院長は黙って玲香を見つめた。
そして、頷いた。
「私にも解らない事だらけです。
特別ではないけれど、少数派。
生物の種類全部にあるようです。
正常、普通の範囲ですが・・・少数なのです。
異常でも特別でもない。
最初から一員なのです。
柳さんも・・・
特別ではないけれど、珍しい出会いではあります」

玲香は嬉しそうに言った。
「やはり、特別ですよ。
何故か、判りました。
先生、教えて下さい。
多分、私はそれを聞いても大丈夫です。
だって、先生も同じなのでしょ。
同じ・・・仲間?身内?でしょ」

院長は考えてから言った。
「このタイミングで柳さんが訪ねて来たわけですね。
いいでしょう。
どうやら、何かが迫っているようです。
本来なら、柳さんはあと10年後に知るはずなのです。
それが、早くなってしまった。
もっとも、地球にとって、10年は誤差に入らないでしょう。
私に解かる範囲でお話しますよ。
ただ私の理解が、正しいかどうかは知りませんよ」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)
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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・897」

2016-04-29 19:35:48 | Weblog



カルテ番号 や・6(35)

院長は即座に否定した。
「それは違いますよ。
私は特別ではありませんし、特別な能力でもありません。
普通の人であり、誰でも持っている能力です。
そうですねぇ・・・
誰でも絵が描けますね。
それは特別な能力とはいわないでしょう。
私はいつでも、少しだけ細かく、どんな場所でも描くことができるだけです。
絵を描く能力は同じなのです。

人間としても、同じです。
転がれば怪我をしますし、不摂生で病気にもなります。
つまらない事で悩みますし、下品な事も好きです。
ただ・・・そうですね・・・柳さんもわかるようになりますが・・・
少数派ではあります。
少数派は、特別ではなく、数が少ないだけなのです。
生活能力でいうなら、私は平均よりかなり劣っていますよ」

玲香は真顔で言った。
「いえ、言葉が足りませんでした。
能力のとらえかたは、ともかくとして・・・
特別と言ったのは、私にとって、という意味です。
直感とでもいうのでしょうか?
気功をされた瞬間から、その思いが湧いてきました。
先生の言う意味は理解できませんが、特別でしょ?」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・896」

2016-04-28 19:31:41 | Weblog



カルテ番号 や・6(34)

玲香は呼吸が急に楽になったと感じた。
普段は呼吸の事など意識しない。
もちろん苦しいという事もなかった。
だが、楽になると判る。
もっと楽になれる、という事を。
それは、安心だという事を。

玲香の言葉は落ち着いた。
ゆっくり、静かに話せる。
「先生、私、想像していたのと全く違いました。
もしかしたら、悩みの解決が見えるかもしれない。
それは、先生と話すことによってだと、思っていました。
まさか、手を触れられただけで、こんなに変化するとは・・・
それに・・・私にはまだ理解できませんが、何かが起こっているのですね。
大きな、転機なのですね」

院長は少し笑って頷いていた。
玲香も少し笑って言った。
「最初に玄関から入って先生を拝見した時は何も感じませんでした。
特別な人には見えないし、特別な能力があるとも思えませんでした。
すいません、失礼な事を言って。
でも、すぐにそれは間違いだと気づきました。
先生は・・・特別だったのですね」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・895」

2016-04-27 19:13:40 | Weblog



カルテ番号 や・6(33)

「先生、私の病気の原因は何ですか?
そして、どうして先生がそれを御存知なのですか?
消えかかっている、というのは、原因が消えている、という意味ですか?」
玲香は矢継ぎ早に質問した。
でも本当は、答えがなくてもいいと思っている。
何か言って、この院長と繋がっていたいのだ。
おそらく、玲香にとって特別な人のような気がする。

院長は少し微笑み、少し困ったような顔だった。
「原因は・・・大雑把にいえば不安感です。
その不安感は柳さんの生命に響いているからです。
何故、それが判るのかというと・・・
今後、柳さんも実感すると思いますが、私も同じ感覚があるからです。
ブログ依存症が消えていくのは、不安感の原因が判るようになるからです。
そう、もうすぐ・・・柳さんが自動的に自分を理解するようになります。
柳さんの・・・生命の仕組み、みたいな事です」

院長の言う意味は解らない。
だが、不安感が消えていくのは、何となく判る。
それは、一人ではない、と思えるからだろう。
仲間?がいた、という事なのだろう。
最初に院長に会った時は判らなかった。
気功を感じて、どんどん気が落ち着いてきた。
身体?生命が喜んでいるのがわかる。
それは、院長が仲間だと思えるようになったからだ。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・894」

2016-04-26 22:07:29 | Weblog



カルテ番号 や・6(32)

ブログ依存症は心の病気なのだろう。
すると、精神科の薬?
薬で治るとは思わないし、そんな薬は飲みたくもない。
「私の病気はどうしたらいいでしょうか?
浅い病か深いのか、自分でもわかりません」
院長は笑って言った。
「もう消えかかっていますよ。
柳さんが依存症になったのは、心の病ではないです」

今日初めて会ったばかりなのに、どうしてそう言い切れるのか?
私の心の中や過去なども何も知らないのに。
それでも、もう依存症が消えてかかっている、というのは信じられる。
理屈ではないのだ。
ああ、もう、何もわからない、と玲香は思った。
そんな事を考えるよりも・・・気持ちがいいのだ。

今までの玲香なら、わからない事は解るようにする。
わからないまま、なんて許さない、という生き方だった。
それが、そんなことは、どうでもいい、と思えてしまった。
僅かの時間で、性格は変わるのか?
人は・・・僅かの時間でも変われるのか?
・・・変われるのだろうな。
そして、変わるなんて、難しいことではなかった。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・893」

2016-04-25 20:11:01 | Weblog



カルテ番号 や・6(31)

玲香は思った。
自分のブログ依存症は浅いのか、深いのか?
「浅い病は向き合わなくていいのですか?」
院長は微笑みながら言った。
「向かい合わなくても、治りますから。
例えば薬を飲めば治る病。
本人が何かを変えなくても治るでしょ。
あるいは、休めば治る病。
例えば、風邪などです」

「深い病は、何かを変えなくては治らないのですか?」
「病の原因がそこにありますからね。
ところが、多くの人は浅い病と深い病を混同しています。
何年も苦しんで、変わらないどころか、より深くなる場合もあります。
本人は真面目に薬を飲んでいるのに。
でも、生き方、意識の持ち方は変わっていないのですね。
現象としての病は表面です。
表面だけの病なら薬で充分ですが、原因が本人なら、薬だけでは不十分ですね」

「浅い病と、深い病を見分ける方法はありますか?」
院長は少し考えた。
「ありますが、一律ではないのです。
結果としてなら、時間が経てば消えるのなら浅い病ですね。
でも、深い病を何もしないと、より深くなります。
ですから、ただ何もしないのは危険を伴います。
浅い病の対処をして、良くならないのなら、何かを変えて下さい」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・892」

2016-04-24 19:17:15 | Weblog



カルテ番号 や・6(30)

玲香は気持ちいい感覚のまま、質問した。
「先生は先ほど、病があるのは正常とおっしゃいました。
では、病は治さなくてもいいのですか?」
院長は即座に答えた。
「いいえ、治していくのも正常なのです。
・・・う~ん、少し違いますかね・・・
病に向き合うのが、正常なのでしょうね。

治る方向に何かを変える、行動を起こす。
結果として、治る、消えてしまうという現象が起こります。
もちろん、治る前に生命が尽きる場合もあるでしょう。
でも、向き合って、何かを変える行動ならば、正常です。
それに、病には大きく二つの種類があります。
浅い病、あるいは単純な病。
そして、深い病、あるいは複雑な病。
向き合うのは、深い病、複雑な病の方だけです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・891」

2016-04-23 19:14:10 | Weblog



カルテ番号 や・6(29)

院長のゆっくりした話は続いた。
「もう一つ、柳さんがブログ依存症という病だと仮定して。
病は誰でも必ず持っているアイテムなのですよ。
いえ、私の意見ではありません。
あの偉大なブッダというお釈迦様が言っているのです。
超偉人で悟りを開いた人の言葉ですよ、間違いないでしょう。
だから、病があるなんて、全く正常です」

玲香は自分の価値観と違う内容に、少なからずショックを受けた。
欠陥があるのが当たり前。
病が正常。
最初からその立ち位置なら、今までほど自分を責めなくてもいい。
「先生、私ブログ依存を治さなくてもいいのでしょうか?」
「治さなくても、消えてしまうでしょ。
どうでもいい事にこだわっていたのは、別の原因ですから。
原因が消えれば、現象も消えます」

ここで院長は少し考えてから話し出した。
「ブログがいけないわけでもありませんよね。
その内容が、ランチの写真だろうが、風景だろうが自由です。
義理で、いいね、をつけるのも、表面のお世辞も自由です。
世の中は、そういう表面のお付き合いで回っているのです。
つまらない言葉、くだらない言葉、嘘の交流。
それらは、極普通の日常生活の一部です。
それを卑下したり、責めたりするのは、勘違いですね」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・890」

2016-04-22 19:29:02 | Weblog



カルテ番号 や・6(28)

玲香は今まで誰にも悩みを話せなかった。
恥ずかしさか、妙なプライドのせいかわからない。
それが、気負い無しで話すことができた。
「私、ブログ依存症だと思っています。
自分をアピールする必要などないはずなのに、毎日写真を載せます。
それも、実につまらない写真と内容。
昼食にこれを食べた、何処何処に行った、これを持っている・・・
それに対する反応をチェックして、返事を書く・・・」

話しているうちに、悲しくなってきた。
本当につまらない自分だった。
「上辺だけの事だとは理解しています。
私も他人の食事に、いいね、なんて本心から思えません。
それも、毎回、毎回・・・
空しい事は、解っているのです。
でも、でも、止める事ができない」

院長の手は、温かく頭を触っているままだ。
玲香の話が切れたところで、院長が話し出した。
「今のようなブログを書く事が空しいのですか?
止めたいのに、止められないのが、悲しいのですか?
私を含め、つまらない事をしているのは普通ですよ。
そして、止めようと思っても止められない事があるのも普通です。
何しろ、人間は欠陥だらけの生物ですから」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・889」

2016-04-21 19:12:43 | Weblog



カルテ番号 や・6(27)

全く見当もつかない。
だから玲香も忘れる事はできないが、無視することにした。
こんな事を言われたのだが、この院長に親近感は憶える。
今までの玲香なら、こんな曖昧な事を言う相手は信用しない。
それなのに、自分でも納得できない親近感が生まれている。
全くわけがわからないが、誰にも言えなかった悩みは話せる。

「実は先生、私、悩んでいます」
「そうですか、悩みは誰にでもあります。
それぞれの種類は違いますが、本人には気がかりですよね。
能天気に見えるでしょうが、私だって悩みはあるのですよ。
だから、とりあえず、話せる範囲で話して下さい。
ほとんどの場合、解決の道はありますし、解決する前に消えます」

そう言われると、大丈夫な気がしてきた。
その間中も、頭に当てられた指から何がが流れているのを感じる。
それが、胸のあたりで安心感に変わる気がしていた。
大丈夫。
わけのわからない状態だけれど、大丈夫という安心感は大きくなっていた。
やはり、ここに来たのは、正解。
というより、運命?

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