水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・14」

2013-10-31 19:21:41 | Weblog



カルテ番号 い・5(3)

治療道を歩む治療師と治療院経営を歩む治療師がいる。
もちろん、良悪も適不適もない。人はそれぞれなのだ。
治療関係者は金儲けをしてはならない、なんていうのは道徳教の信者だ。
そして、信者は(自覚はないが)欺瞞と無知の道を歩く人だ。
政治家も官僚も坊さんも神父も医者も先生も、様々な人間なのだ。
立派から離れやすいという危険な職業なのだ。
立派でないのは、通常の国民の証でもある。国民も様々なのだ。

血のなせる業か、治療道を歩む治療家や医師も多い。
生命も病も回復法も、複雑で大きな相手だ。
だからマジメな医療関係者は常に自分の事以外で悩み迷う。
手さぐりで、真剣の上を素足で渡る作業だ。
そして、自分の体調管理の上に治療がある、と気付く。
逆な言い方なら、体調管理のできていない医療関係者は・・・それなりだ。

飯綱氏は研究熱心で行動力もある治療者だった。
身体に溜まった病の氣は、自分で見つけた山の森林内で浄化する。
それでも取りきれないモノが残る時がある。
それらの対処を探していた。そして風間陽水という治療師を知った。
陽水の方が年上だと知って驚いた。どう見ても年下としか思えない。




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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・13」

2013-10-30 18:46:32 | Weblog



カルテ番号 い・5(2)

飯綱氏は長年の臨床経験から気付いていた。
病人(やみびと)に接するのは病みの氣と接する事だと。
治療する側は常に病みの氣の影響を受ける。
つまりプロの治療師は、何らかの方法で受けた自分の病みの氣に対処しなければならない。
自分の身が持たなくなる。それは治療を続けられないという事になる。

もう一つの方法もある。
氣は交流により影響を受ける。
だから交流しない治療なら影響は受けない。
それは、患者に興味を示さず、生活の糧としての技のみと割り切る。
もっと極端にいえば、商売としての治療院経営。
それなら病の氣はほとんど受けずにすむのだ。
現在、医療関係者の多くは生計の為の仕事として治療をしている。
医療関係は実入りが多いと思って選ぶ人も沢山いる。
それは現代になってからだ。
古来から医療関係者は通常より貧しかった。
ヒポクラテス(医師の祖)の誓いというのがある。
そこには、医療関係者は生活が苦しいから、医師同士で助け合って治療を続けようと書かれている。
当たり前だ。病人は働けない。収入などないのだ。
治療をするのは収入を得る為ではない。患者がいるからだ。

そういう治療師、医師としての血が体内に流れている人もいる。
経営も考えるのだが、どうしても血が騒いでしまう。
患者を目の前にすると、本能が動いてしまう。
危険でも、足は勝手に飛び込んでしまう医療関係者もまた多くいるのだ。
飯綱氏もその一人だった。




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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・12」

2013-10-29 19:05:39 | Weblog



カルテ番号 い・5(1)

飯綱浩二は治療家だ。鍼・灸・指圧・マッサージの治療院を開いている。
すでに30年以上の実績があり、風間陽水より遥かに長い。
そもそも陽水は治療家を目指していたわけではない。
偶然のようになってしまった。
だから人生、何があるかわからん、が口癖でもある。

ドクター、ナース、治療家、トレーナーなど医療関係者は総じて体調が悪い。
もちろん患者の前では元気に振る舞う。プロだもの。
そして、自分の身体を治療する相手を見つけるのが困難だ。
プロとしていろいろを知りすぎている。
自分で出来る範囲は当然しているが、それでは回復しない体調となる。
原因は患者を扱うからなのだが、そこには氣という概念が必要になる。

医療関係者もさまざまだ。
一つの医学、その治療法を突き詰めていくタイプ。
常に自分以外の医学や治療法を求めているタイプ。
プロとしていろいろを知っていくと、どうしても後者のタイプになる。
その為、陽水のような怪しげな治療法に興味がある治療家は多い。
飯綱浩二氏もその一人だった。




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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・11」

2013-10-28 18:47:50 | Weblog



カルテ番号 あ・28 そしてプロローグ(11)

愛田恵子は長い間一人で生きていた。
同族がいることは直観でわかる。だが、探そうとは思わなかった。
たまたま風間陽水に会い、何故探そうと思わなかったのかが理解できる。
同時に、何故自分がこういう体質になったのか、という疑問も解けた。
風間陽水の話は腑に落ちるのだ。何の証拠も確証もなくても納得できる。

「最初から仕組まれていたのね」
「命あるモノが生まれた時からね。続くような仕組みがあって生まれた」
愛田恵子が背負っていた自分の体質の責任が下ろせたのだ。
力みは無いが、少しでも重いときもあったのだろう。
「偶然、たまたまアタシだったわけね」
「そう、ランダムが条件だから誰でも当たる可能性があった」
「選ばれたわけでも、他の能力があるわけでもなかった・・・よかったぁ」
そうして三年前の愛田恵子はあっさりと帰っていったのだ。

それからも時々は風間陽水の治療院に来る。
群れない、ネットワークを組まないという体質なのに来る。
陽水よりかなり年上なのだが、教えを乞うような時もある。
陽水も仕事柄、生命の謎については興味があるから歓迎する。
陽水は寂しがり屋ではない(長く生きる体質からの性格かもしれない)。
だが実際に生きた仲間がいる事は、それなりに助かる。




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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・10」

2013-10-27 19:15:51 | Weblog



カルテ番号 あ・28 そしてプロローグ(10)

瞑想の答えは固定概念で受け取らない。注意点はそこだけだ。
地球年齢が46億年。1億年が1年に対応して46年。
ある生物のある個体が46歳になると、共鳴するらしい。
その個体の選び方は基本的には無い。どれでもいいのだ。
共鳴すると、生命力がおおよそ7倍に延びてしまう。
理由は多種多様な生物が地球にいるのと同じだ。
一つの種族でも多様性を持たせている。
何かで基本生命体が終わっても、生き延びる変異種が残こる。
通常の生物のパターンの一つともいえる。

当然、人間だけではない。あらゆる生物に変異種が発生する。
主(ぬし)といわれる小動物や大型獣。
植物や虫類にも一定割合で発生する。
海の生物にはかなりの長寿変異種が生存しているだろう。
基本的には通常の生物と同じDNAだ。
子孫は変異種を継がない。その個体のみの変異だ。

「やはり46歳だね」と陽水は断定した。
「46年生きられない生物は?」
愛田恵子は他の生物にも対応しているとは思ってなかった。
「同じ仕組みですね。4.6年とか0.46年とかになるでしょうね」
「センセより120年長く生きているのに、アタシが教えられてるわ」
それにしては愛田恵子と陽水は幾つも違わないように見える。
「いや、解らないことだらけです。いろいろ聞きたいこともありますよ」
「アタシ、あまり考えないようにしてきたけど、少し情報を集めてみようかな」




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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・9」

2013-10-26 19:22:10 | Weblog



カルテ番号 あ・28 そしてプロローグ(9)

「センセは発動がいつ起こるか解る?」
陽水は額を人差し指で掻きながら困った顔をした。
「たぶん・・・。いろいろが解る瞬間があるけど、たぶん、なんだろうな」
愛田恵子は少し目を瞠ってから微笑んだ。
「センセ、面白いね。おニューのくせに。」
「他の人と話したことがないけど、ほぼ確信みたいに感じるんだ。」
「しばらくは、少し辛い思いもするわね。」
「そうだね・・・。」

愛田恵子はぽつり、ぽつりと話始めた。
「アタシはね、発動後から少しずつ解ってきたの。だから46歳からね。」
少し寂しそうに言葉を続けた。
「寺田屋の時は亭主に早く先立たたれてね、その後もオトコがいないわけじゃないけど子供は出来なかった。だから、その分は辛さが薄かったわ。」
陽水も解っている。この先、子や孫の最後を看取るかもしれない体質だ。
「愛田さん、地球年齢と影響してると思う?」
「そこまで気付いているの?ホントにおニュー?」

陽水は二十歳前から瞑想世界に入ることがあった。
思い出せば、5歳くらいから入り込むことがあった。
やがて、その使い方が自然と身に付いた。
瞑想は、マザーコンピュータにつなげる作業みたいなものだ。
いろいろな使い方もあるのかもしれないが、陽水は検索装置として使った。
不明な事を投げかける。ただ、それだけで引き上げる。
すると、期間はバラバラだが答えが降ってくるのだ。
それが正解かどうかは判らないが、道は通れる。




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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・8」

2013-10-25 19:22:53 | Weblog



カルテ番号 あ・28 そしてプロローグ(8)

発動。
どうやら生物としての人間の一部が変化、変異する事らしい。
同じ人間だが、種族の生理が変異してしまう。
それは細胞のアポトーシス(自然死)の変異だ。
生物は種族によりプログラミングされた細胞再生回数がある。
そこまで生きると細胞は次に再生しないから、自然死を迎える。

人間の細胞寿命は約150歳といわれている。
実際は人為的や環境的に細胞を多く傷つけるので満了まではほとんどいない。
ところが変異種が稀に出現する。
通常の7~8倍のようだ。
それは太古の頃から一定割合で出現していた。

病気や怪我に対する抵抗力も少しは高いが、せいぜい2倍。
その為、アポトーシスは7倍でも通常人と同じように死亡する。
たまたま恵まれた環境や地位で生まれた場合、理屈に合わない寿命となる。
歴史学者は記述の間違いか、同じ名前を継承したせいだと処理する。
例えば300歳以上と書かれたエジプトの王の年齢のように。
世界中のいたるところに、理屈に合わない年齢の記録や記憶は残っている。




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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・7」

2013-10-24 18:48:17 | Weblog



カルテ番号 あ・28(7)そしてプロローグ

「愛田さんは会った?」
愛田恵子は遠くを見つめる表情をした。
「会ったわよ。話をした人もいたわ。その後の付き合いはないけど。」
そして意味ありげに微笑んだ。
「センセは幕末時代に興味ある?」
陽水は最近時代小説にはまっていた。そして江戸の末期も好きだった。
「ぬるま湯の江戸中期もそれなりにいいけど、やはり風雲乱れる幕末は面白い。」

愛田恵子は少し照れながら言った。
「京都伏見寺田屋」
「坂本竜馬の・・・」
「そう、その頃はお登勢という名前」
陽水は半分驚き、半分納得していた。そして言った。
「いいなぁ・・・」

「坂本様の話はまた後で機会があったらするわ。」
最初に会ったのは竜馬が19歳で江戸の千葉道場に行く途中だった。
その時のお登勢は後家の船宿店主だった。
「竜馬も?」
「そうとしか思えないけど、発動する前に死んじゃったから」
「こうなるのは、発動というのかぁ?」
「アタシが勝手に名付けたわ」
「うん、いい。」




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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・6」

2013-10-23 19:11:44 | Weblog



カルテ番号 あ・28(6)

同族でも会わない。
あるいは、同族だからこそ知らんぷりをする。
それは誰にも教わらなくても解るのだ。
自分の存在は同族の一部だから生き延びなければならない。
いや、生物は皆生き延びなければならない。
生まれたからには、生き延びなければならないのだ。

生き延び方は様々だ。
花の胞子のように、それぞれが風に乗って遠くに行く。
一つ一つの多くは適応できないかもしれない。
だが、何処かで一つでも根付けばいい。生命はつながる。

集団だからこそ生き延びられる種族もいる。
だが、その集団も集団分かれをして別々の地方に旅立つ。
地殻変化、気象変化によって幾つも集団が滅亡しても生き残れるようにだ。
生命は別々に生きることによって、生き延びる術としている。
宇宙に飛び立つのも、その一つだ。
やがて、地球が滅びても生命は生き延びる準備をしている。




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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・5」

2013-10-22 18:59:33 | Weblog



カルテ番号 あ・28(5)

「センセー、エネルギー不足なの。補充して。」
三年前も同じ事を言っていた。
風間陽水は頭頂から氣を流しながら言った。
「不足じゃなくて、オーバーヒート。整える方だね。」
「何でもいいわ。よろしくね。」
「何もしないでクールダウンすればいいんだけどなぁ」

そこで陽水は気付いた。
愛田恵子は普通人と違う。
愛田恵子も気付いた。この院長の氣は違う。
もしかしたら・・・
見た目の年齢は少し下か。

「センセ、いつから?」
ストレートな聞き方だ。通常なら治療歴のことだと思うだろう。
そして通常なら、治療歴で答える。
ところが、陽水もストレートに答えた。
「約15年前からかな」
「おニューなんだ。」
他の人なら、何の話か解らないだろう。

「愛田さんは、いつから?」
「ふふ。私は明治になってから。私が先輩ね。」
「生まれは江戸時代かぁ・・・いいなぁ」
「センセはどのくらい知ってるの?誰かと会った?」
「いや、この人はそうかな?と感じても会わなかった。」
「私が初めてなのね。」



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