水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1324」

2017-06-30 19:35:00 | Weblog



カルテ番号 わ・9(61)

洋子は過去を見る能力があっても驚かなくなった。
事実として、何年も前に夢でこの院長と会っているのだ。
長寿族といわれても、まだ実感はない。
数十年経って、変わらなければ実感となる。
考えても仕方ない。
ただし、身体が変わっているのは実感がある。

身体の芯が一段、いや数段上がっている。
生命力が活性しているのが判る。
燃えているのだ。
10代からずっと悲観的な考えだった。
それが消えている。
何が起こるかわからないが、幸せを感じる。
こんな感覚は、今まで無かったものだ。

「今日は渡部さんにとって、非現実的な話でした。
私からは現実の話をしているのですが・・・
渡部さんが、今日の内容を現実と認めたら、また話しましょう。
そして、他の人達とも会いましょう」
洋子は即座に言った。
「先生、大丈夫です。
信じられるのです。
身体の中の何かが、間違いないと認めています」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1323」

2017-06-29 19:14:55 | Weblog



カルテ番号 わ・9(60)

洋子はその言葉で目が覚めた。
何年も続いた夢の中の先生。
何を言ってもらったのか思い出せなかった。
ただ、それが光の道筋だと気が付いていた。
その言葉が、今現実になった。
だから、あの夢にすがって生きていられたのだ。
何度も死のうとしたけれど、光が見えていたから生き延びられた。

「先生、ありがとう。
私、過去に先生から救っていただいた事を思い出しました。
過去ですが・・・今だったのですね。
過去は・・・その時点では、未来だったのですね。
先生は憶えていない、とおっしゃった。
でも、事実だったのです」

院長はしばらく考えていた。
「渡部さん、その言葉は、時間に対する大きなヒントです。
氣がどのように影響しているのかわかりません。
ですが、時間を遡ったり、未来へ行けたりするようです。
実は、ここで目覚めた長寿族の一人が予言の能力があります。
その仕組みが少しだけ解ったような気がします。
もし渡部さんが過去を見る事ができるなら・・・
それは、未来の道筋を示す事と同じかもしれませんよ」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1322」

2017-06-28 19:59:48 | Weblog



カルテ番号 わ・9(59)

洋子が落ち着いた頃、院長は言った。
「どんな状況からであれ、亡くなってしまった人。
満足して旅立つのは少ないでしょうね。
まして本来の寿命よりも短くなってしまった場合。
心残り、残念があると思います。
生きているのは貴重だと思っているでしょう。

過去に死の淵まで行くと、生の世界が違って見えます。
綺麗事だけの素晴らしさだけではないけれど・・・
言葉にすれば、素晴らしい事としか表現できない。
苦しい事、辛い事、悲しい事を含め、素晴らしい事。
渡部さん、私もあったのですよ。
死の淵かどうか判りませんが、近くは間違いない。

今は少しだけ解ります。
生きている事自体が、素晴らしい事だと。
愉しい事や嬉しい事、悲しい事、辛い事、苦しい事。
それは・・・服みたいなものです。
裸の本体は、生命という素晴らしいものです。
渡部さん、生きていて、おめでとう」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1321」

2017-06-27 18:34:28 | Weblog



カルテ番号 わ・9(58)

洋子は院長の言いたい意味が見えた気がした。
「生命を愛おしむ・・・慈しむ・・・
それが長生きをする意味なのですね。
結果の長生きではなく、生きる事を大切にする・・・」
洋子は真剣な顔をして黙った。
そして、院長に言った。

「先生、私・・・」
次の言葉が中々出なかったが、思い切って言った。
「私・・・死のうと思いました。
何度も・・・実行しようとして・・・
でも、出来なかった。
死ねば、この苦しみから逃れられる。
そう思っていました」

洋子は誰にも言えなかった自殺を口にした。
「生きているのは苦しくて・・・
淋しくて、辛くて・・・
・・・・ごめんなさい・・・」
そして、しばらく泣いた。
院長は黙っていた。

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1320」

2017-06-26 19:23:29 | Weblog



カルテ番号 わ・9(57)

病は回復する事に意味がある・・・。
洋子は心の病だといわれた。
回復したいが、回復しなかった。
もがき、苦しみ、そして、ここにたどり着いた。
回復したかどうか、まだ判らない。
だが、生まれ変わったようだ。

院長は話を続けた。
「回復する途中で亡くなる事も多いですね。
回復というのは結果ではありません。
回復する生き方、そのものを指します。
ですから結果で判断するものではないのです。
生命の仕組み、意味の話です。
生命は、どんな事をしても終わりを迎えます。
結果から論じれば、何の意味も無くなります。

病からの回復も同じです。
一時的にその病が消えても、いずれ亡くなります。
通常は100年くらいで、人間は死にます。
回復する生き方とは、それまでと変わる生き方です。
生命を愛おしみ、慈しむ生き方です。
そこには、大きな意味があるのです」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1319」

2017-06-25 19:17:52 | Weblog



カルテ番号 わ・9(56)

院長は少し顔を曇らせて言葉を続けた。
「私は、こういう仕事をしています。
依頼者は厳しい病の人が多いです。
時には赤ちゃん、幼児、児童もいます。
本人の生き方に関係なく、難しい状態になります。
そして、亡くなる事もあります。

大人の病も様々です。
本人が特に不摂生をしなくても、思わぬ大病になります。
原因不明の病も多いのです。
でも、本人次第で回復する病もまた多いのです。
生き方の間違いが悪いわけではありません。
ここでいう間違いとは、生命に対する間違いです。
社会的通念、道徳、常識などは関係ありません。

生命を粗末に扱う生き方を、とりあえず間違いと言っています。
そして、間違いが悪いわけではありません。
間違いは、生命を縮めると指摘しているだけです。
間違いは、修正する事に価値があります。
価値というか、本質というか、意味ですね。
病は、回復する事に意味があるのです」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1318」

2017-06-24 20:01:19 | Weblog



カルテ番号 わ・9(55)

洋子は言った。
「私の母は30代で亡くなりました。
妹は20歳で亡くなりました。
短命でした。
間違いなのでしょうか?」
院長は答えた。
「どうも私の言葉は説明不足です、反省します。

人はいつ、どこで、どのように亡くなるのかは判りません。
それは長寿族も同じです。
昔は、生まれてすぐに亡くなる事はかなりありました。
幼児時期や子供時期に亡くなる事も多かったのです。
今は交通事故やその他の事故で亡くなる事もあります。
もちろん、病で亡くなる場合も沢山あります。

結果として短命なのは間違いでも不適切でもありません。
私が言う短命は、本人の選択で短命にしてしまう事です。
例えば、日常の不摂生、酒、タバコで身体や精神を蝕む。
休む時間があるのに、無理を重ねる、などです。
きちんと生活していても、病になる事は多いのです。
ですから、出来る事をする、という意味です。
それでも、生命は簡単に消えてしまう事も沢山あります」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1317」

2017-06-23 19:23:44 | Weblog



カルテ番号 わ・9(54)

ここで院長は少し考えてから話を続けた。
「長寿族だから長生きしなければならない。
この言葉は、少し語弊があるかもしれません。
何々しなければならない、というのは基本的にはありません。
生きる、というのは自由と並行していると思います。
ねばならない、という義務は基本的には無いと思います。
ただし、してはいけない、というのは少しあります。

我々、地球上で暮らす生物の最低限の決まりがあります。
この地球には多種多様の生物が存在して、成り立っています。
他の生物抜きには、一つの種は存在できない仕組みです。
つまり、他の生命を必要外で奪ってはならない。
それは、暴力とか侵略とかも含みます。
自由は、他の自由を侵さないから自由なのです。
他の自由を奪うのは、自由ではなく独裁です。
独裁は、必ず滅ぶ運命です。

他の自由を侵さなければ、自由です。
短命な生き方を選ぶのも自由です。
生命を深くとらえると、短命は間違いですが・・・
深い意味では、短命な生き方は自由ではなく、自分勝手です。
まぁ、とにかく、自覚すれば長生きが生物の義務だとわかります。
だから、力を抜いて、気楽な健康維持、と思って下さい」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1316」

2017-06-22 19:28:54 | Weblog



カルテ番号 わ・9(53)

少し心配そうな院長の顔を見て、洋子は言った。
「大丈夫です。
これは嬉し涙です。
私、独りぼっちじゃなかったのですね。
それどころか、とても温かい家族がいる事を感じています。
先生は・・・身内だったのですね」

院長は微笑んだ。
「受け入れてくれて、良かったです。
多分、次の機会には、幾人かの仲間を紹介できるでしょう。
楽しみにしていてください。
それでは、話、レクチャーの続きです。
私が知っている長寿族の事をお話しします。
とはいえ、私の知る部分はほんの僅かです。
まだまだ、わけのわからない事が沢山あるのですから。

まず、長寿族とはいえ、普通の人間です。
病気も怪我もしますし、それが元で亡くなる事もあります。
多少は病になり難い、怪我の治りが早い、という事はあります。
それでも不摂生すれば高血圧、糖尿病、癌にもなります。
長寿族の発動以前も健康には気を配るのは当然です。
ですが、発動後はもっと厳しく健康を維持管理しなくてはなりません。
長寿は本人の自覚に基づく行動があって成り立つものです」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1315」

2017-06-21 18:13:02 | Weblog



カルテ番号 わ・9(52)

その時、洋子の皮膚の上を暖かい風が撫でていった。
何かに包まれている。
理性では信じられないが、感覚が起こっている。
洋子は自分の家族、本当の家族がいる事を確信した。
それが院長のいう長寿族なのだろう。
家族というか姉妹という感覚だ。

先週に続き、涙が勝手に流れていた。
この先生だけではないのだ。
もっと何人も身内がいる。
母と妹に逝かれ、父から見捨てられた。
独りぼっちだと思い込んでいた。
そして、夢で見た先生に会えた。
更に、本当の身内が幾人もいる。

洋子は思った。
自分は、とても幸せなのだ。
身内に恵まれているのだ。
特別な身内がいるのだ。
きっと院長の言う通りなのだろう。
自分は長寿族という隠された一人だったのだ。

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
HP「気の空間・氣功療法院」検索
ブログだけなら楽天「水上陽平の独善世界」検索 が読みやすい

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする