「迷想中・迷走中・760」

ある気功師・365

7月8日もナムギャル寺での朝行に参加。
読経の中は天国だった。
とにかく気持ちいい。
平和への波動というのは、理屈無しに気持ちいい。
とにかく、気持ちいい。

その後、おかゆの朝食をいただく。
そして、これも特殊なネチューン寺に向かった。
特殊の理由は、ネチューン寺の代表者。
その名は、ネチューン・クテン師。

チベット仏教の代表者は特殊な方法で選ばれる。
生まれ変わり、活仏という。
血縁でもなく、弟子でもない。
もちろん、ダライ・ラマ法王も活仏だ。
代々、生まれ変わりを国中で探し、そして受け継ぐ。


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「迷想中・迷走中・759」

ある気功師・364

毎日のチベット仏教特別講座。
法王に講義した高僧リンチェン師。
超ありえない特別な講師だ。
難しいチベット仏教の真髄。
易しく優しく教えて下さった。

私が受け取ったのは自分の生き方。
この怪しげな治療師としての方向。
いろいろが削ぎ落されて楽になる。
簡単でもあり、難しくもあり。

まぁ、今となっては、その為に貧乏になった。
何しろ治療師は経営とは違う。
元々苦手だった収入の考えがより離れた。
他人の為に、ではなく、自分の為に。
より生命と氣に興味が湧いた。


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「迷想中・迷走中・758」

ある気功師・363

まぁ、生きていて少しでも役に立ったなら御の字だ。
特別立派な生き方をしようとは思っていない。
特別じゃなくても立派に生きようとは思わない。
それでも少しは他が喜んでくれるのは嬉しい。

評価されるから嬉しいのではない。
感謝されるから嬉しいのでもない。
相手が喜ぶ。
相手がほっとする。
だから怪しげな気功治療を続ける。

特殊な方法の治療だ。
認めてくれなくていい。
理解されなくていい。
私だって理解していないのだ。
説明もメンドウだ。
結果で良い方に変わってくれればいい。


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「迷想中・迷走中・757」

ある気功師・362

日本を離れ、インドの奥とか中国の僻地に行く。
現地の人とか風習とかに接する。
一緒に行ったツアー仲間の反応を見る。
そこで感じる自分への見つめ直し。

自分探し、などと陳腐な考えではない。
勝手に感じてしまうのだ。
現代日本での常識や固定概念。
それらが勝手に削げ落ちる。

特に私のような怪しげな能力。
それを売り出す能力があれば現代日本でも生活できる。
だが、私はアホで立ち回りが下手。
オマケにめんどうくさがり屋。
努力と精進が苦手なのだ。


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「迷想中・迷走中・756」

ある気功師・361

訳がわからない、この気功。
訳がわからない、この私。
通常はともかく、非常時には役に立っている。
ツアー添乗員は本気で感謝してくれた。

薬も器具も必要ない。
ただ、怪しげな私とその手があればいい。
日本では落ちこぼれ側の私だ。
こういう場では重宝される。

そうか。
私は古代のメディスンマンならいいのか。
生まれた時代、生まれた場所を間違えた。
来世は文明と離れた、暖かい南海の島がいい。
のんびり半裸で一生を暮らす。
たまに、困った人に手を当てるだけの・・・


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「迷想中・迷走中・755」

ある気功師・360

気功師になってまだ3年だ。
じっくり一人に治療できる時間はない。
だが、この気功は変な癖がある。
困った時に結果が出やすいのだ。

厳しい状況時。
時間が無い時。
他に頼る選択肢が無い時。
私が思う以上の効果が出る。

私の予想以上となるのだ。
私の予想はあてにならない。
無理だろう、と思っても結果が出る。
この気功は私を裏切る・・・


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「迷想中・迷走中・754」

ある気功師・359

西洋医師もいるが、今は診断に機器を使う。
それに基づき医薬品が必要になる。
緊急ならば手術用具や手術室が必要だ。
治療は先に診断ができなければできない。
腹痛でも不定愁訴でも起こると困るのだ。

昨年のツアーもそうだった。
不調を訴える人が幾人も出た。
その度に、とりあえず私が手当した。
私の能力を信じたかどうかは・・・
きっと、藁をもすがる、というわけだったろう。

それでも結果は良くなった。
ツアーの添乗員はとても感謝してくれた。
今回も同じベテラン添乗員だ。
何かと私に頼んできた。


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「迷想中・迷走中・753」

ある気功師・358

それから毎日続くチベット仏教特別講座。
これだって奇跡のような講座だ。
仏教関係者でも受講できないだろう。
それなのに、ツアー参加者は奇跡を自覚していない。
奇跡に慣れ過ぎているからだ。

食事は北インドのカレー味ほど強くない。
私には結構食べやすかった。
ここの空気も雰囲気も良い。
かっては外国人の避暑地だったところだ。
日本でいえば軽井沢。

それでも毎日の内容濃いスケジュール。
調子を悪くする人が幾人か出てしまう。
添乗員が一番困る事だと言っていた。
日本や先進国とは医療体制が違うのだ。
対処するのに、とても悩む事柄だ。


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「迷想中・迷走中・752」

ある気功師・357

どんなに厳しい話を聞かされても感傷に浸っていられない。
ツアーは時間が限られている。
僅かの日程で、多くの学びをしていかなければならない。
余裕でバカンスに来ているのではないのだ。

午後には法王に次ぐ高僧との会見兼食事会。
ここでもベテランツアー添乗員のセリフは同じだ。
「ありえない、この方は人前にほとんど出ない」
日本出発から何度同じセリフを言っただろう。
超特殊なツアーのようだ。

だが、ノーテンキな我々はその重さが解かっていない。
奇跡に慣れ過ぎている状態だった。
何だか有難いねぇ・・・
そんな程度で、高僧と写真など撮っていた。
今となると、ホントにノーテンキ・・・


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「迷想中・迷走中・751」

ある気功師・356

私は偏見の持ち主だ。
狭小の心だ。
普段は宗教を軽んじている。
仏教、キリスト教、イスラム教、新興宗教。
つい、からかってしまう。

経や経典から学ぶ事は多い。
だが組織としての宗教は無くていいと思う。
ほとんどの政治家も無くていいと思う。
いや、無い方がいいと思っている。

それでも例外があるのは知っている。
極マレに立派な政治家がいるのは知っている。
極マレに素晴らしい宗教（組織）もあると知っている。
素晴らしい指導者と常に進化する信者もいるのだ。
共通するのは、素敵な笑顔だ。


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