「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1355」

あとがき・8

幾度も登場し、縦糸となった愛田恵子。
彼女の自由な振る舞いが生きる事の芯だと思う。
それは赤ちゃんの自由な振る舞いと通じる。
生命の芯は、とても自由。
それに沿う生き方が、生命を活かす。
生命は生かし合いで成り立つ。

個の自由は、全体の平和につながる。
自由は、決して他の自由を縛らない。
縛り、縛られるのが苦手だから自由を選ぶ。
自由な振る舞いは、肉体の調和があって成り立つ。
結局、己の肉体を愛し、労わるモノが生命の本筋を歩ける。
そこまで書きたかったのが、途中でぐれた・・・

現実の世界の異常が気になる。
天変地異だけではない。
自然界に大きな影響力を持つ、人間種の存在が大きい。
大きな影響は、小さな生命をないがしろにしがちだ。
だからこそ、一つ一つの小さな生命を書きたかった。
いずれにしても・・・上手く書けなかったなぁ・・・

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1354」

あとがき・7

意識が自然界へ影響する。
自然界は生命体の意識と肉体に影響する。
大きなテーマだが、私が書く立場ではない。
それに、そんな事は書きたくもない。
私は、もっと小さな事を書きたかったのだ。
個々の生命と個々の生き方を書きたかった。

様々な人が様々な思いを持って生きている。
様々な人生となる。
そこに肉体の調和が大きく関わる。
人生は意識よりも肉体の影響が大きく関わる。
単純にいえば、身体を労わって下さい。
それだけでいいのだ。

身体を愛して下さい。
それだけで、ほとんどの解決はするのだ。
それが、国になり、世界になる。
そして、地球全体に影響する。
小さな、個々の肉体が主。
意識の中の神様など、微々たるものなのだ。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1353」

あとがき・6

次第に意図した事から大きく外れる。
天変地異は扱いが大きすぎるのだ。
詳しく書き出すと、とても長くなってしまう。
それには筋書きの設計が必要になる。
今更、そんな事までしたくない。
気ままに、自由に、勝手に書きたいのだ。

どう終わらせようか。
書くのは手だから、嫌だとは思わない。
それでも終わり方は気にしていた。
きっと、多分、中途半端になるだろう。
書ききれないのだから、当然だ。
個の病や回復法だって、書ききれない。
それだって、中途半端にしか書けない。

案の定、終わり方としては尻切れトンボ・・・
全体としても中途半端。
それでもいい。
とにかく、終わらせる事が出来た。
終わらせると、書きたかった事が次々浮かぶ。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1352」

あとがき・5

例え話、フィクション、空想、ファンタジー。
書きたい事は、そういう形体でないと表現できない。
現実に近くなるほど、書きたい事から離れる。
遠くなると、現実から離れる。
離れたモノの中に、現実の芯が見える。

個の病、個の悩み、個の回復、個の変化。
そういった一つ一つを書いていくつもりだった。
だから「あ」から始まり「わ」までの人を登場させた。
それが、いつからか種族の運命の割合が多くなった。
元々計画していないから、変わっていくのは仕方ないけど。
長寿族の話が次第に多くなっていった。

長寿族は種族と個の生命に関わる。
そして、全ての生命を乗せている自然。
大きな天変地異は多くの生命の危機となる。
長寿族を書くのは、天変地異を書くことになる。
そして、人々の意識と異変は関係する。
ますます話は大きくなりだした。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1351」

あとがき・4

どう終わらせよう。
いつ終わらせよう。
その思いは常にあった。
書くのは手が勝手に進める。
それとは別に、思いもある。
どのように、終わらせようか・・・

対個人なら、ある程度は話せる。
受け入れる人なら、ある程度話せる。
だが、こういう公開文章は明かせない。
もちろん、私自身も解らない事だらけだ。
それでも、私程度でも、一応プロだ。
プロ側に入り込んだなら、話せない事だらけだと気づく。

もっと軽く、もっと浅く、もっと無責任に。
そう思うのだが、軽くても重い。
浅くても、深さが見える。
無責任は・・・度胸がない。
病を書くのは、難しい。
生命を描くのは、私程度では分を超えている。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1350」

あとがき・3

実際の病はもっと複雑だ。
心の書ききれないものがある。
誰の心にも闇の部分がある。
心とは、そういうものなのだ。
綺麗な部分もあるが、それは一部。
社会的には表に出せない、出さない方がいい。

そんな面を書きたいわけじゃない。
だが病は、闇から生まれる事が多い。
だから、あいまいな表現になる。
隠したままの表現になる。
綺麗とか汚いとかではない。
心とは、そういうものなのだと思う。

それは当然、病からの回復にも関わる。
回復法も表現があいまいにならざるをえない。
隠したままの表現にならざるをえない。
深い回復法は、表に出せない、出さない事が多い。
深い病と深い回復法。
それは、生命に関わるからだ。
生命は、描き切れない。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1349」

あとがき・2

最初の漠然とした思い。
治療師を通して、病、健康、心、運、その他を書くつもりだった。
人は様々だ。
だから、一人一人、それぞれの事情がある。
そして、縁があり風間陽水という少し変わった治療家を訪れる。
基本的には、病だから訪れる。

病の原因。
あるいは、原因など見つからなくても回復できる事。
病と健康は対立するものでない、という事。
何かのキッカケで、人は変われる、という事。
世の中、不思議でできている、という事。
わけがわからない、という事を認める事。

そんな事を話し言葉の中で書いてみようとしていた。
ところが、書き出すと、勝手に人は話し出す。
私が意図しない事を話し出す。
もちろん、全て勝手にさせるわけにはいかない。
その為、文章があいまいになり、中途の感じがする。
公開している文章だ。
何でも書いていいわけじゃない。

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あとがき・1

約３年８ヶ月、毎日書いてきた。
いつもの通り、計画などない。
その日、その日にパソコンのキーを叩く。
その時はほとんど手任せだ。
頭の中で組み立ってから書いているのではない。
時間はおよそ５分くらいだろう。

「あ」から始まって、「わ」までの苗字で続けた。
一人の人で一章完結。
基本的に次の人との接点はない。
ア行の最後に、最初の愛田恵子を再び登場させる。
イ行の最後に、愛田恵子を登場させる。
そうして、最後まで風間陽水とからませる。
それには、長寿族という縦糸を設定した。

ところが計画性のない私だ。
手は勝手に話を進める。
後半になるにしたがい、人と人が接点を持つ事が起きる。
やがて、長寿族の役目に関連して人が集まる。
天変地異やそれに匹敵する人災に関わる人々だ。
それは、最初の漠然とした思いとは違ってきていた。

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「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1347」

カルテ番号　わ・9（84）

愛田恵子がある実業界の大物を説得した。
社会的な代表は、その大物になる。
誰でも知っている大物がダミーとなっていただくのだ。
ある程度の計画と実行は、大きな組織の一部として進める。
実際は、事が起こればそれどころではないのだが。

天変地異が人の生き方を際立たせる。
日本も世界の国や組織も過激な方向になりがちだ。
同時に、助け合う意識に目覚める人達も増える。
荒れる意識の人達と、優しさに覚醒する人達。
その生き方の道は、二極化が際立ってくる。
やがて、一方は破滅に向かう。
その時、一部は助け合い、生き残りに向かう。

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カルテ番号　わ・9（83）

人手は足りない。
陽水は基本的にクライアントには連絡しない。
だが、今回は特別だ。
今まで来院し、陽水と縁の深くなった人達に連絡する事にした。
ここに来て生き方が変わった人達は多い。
更に変わろうとしている人達も多い。

もちろん、長寿族の話はしない。
それでも、何か感じ、そして協力する人達はいるだろう。
治療者も神主もサンカもヨガ指導者もいる。
研究者や技術者だけではない。
こういう状況になると、一言で協力する人達が多くなるものだ。
生命は地球に住む他の生命体と底でつながっている。

表に出るのが苦手な陽水だった。
長寿族の自覚はあったが、隠遁生活でよかった。
ところが愛田恵子と出会い、急に様々が変化した。
振り返れば、その頃から来院する人達も縁が濃くなった。
そして、幾人かの長寿族がここで覚醒していった。
役目が近くなっている事を感じて。

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