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傑作な籠城戦を描いた1冊。『のぼうの城』とは違った面白さを醸し出しています。
永禄(えいろく)八年、上杉輝虎(てるとら)、のちの謙信が、下総国臼井城(しもうさのくにうすいじょう)に侵攻を開始。上杉軍の総勢一万五千に対し、 臼井の兵は二千ほど。後ろ盾となる北条(ほうじょう)家からの援軍は、わずか二百五十余。これでは、多勢に無勢であるが、北条の武将松田孫太郎は、路上で寝ていた易者、白井浄三入道を軍師に仕立てました。この浄三は、この籠城戦で想像を絶する奇策を次々と画策し、少数精鋭で勝ち続けます。しかし、総大将・上杉輝虎が、日露戦争の203高地の如く、殺傷されようが、多勢を駆使し、城の砦を攻略し始めました。城方はもはやこれまでかと思われた朝、浄三が画策した策により奇跡が起こります。
この臼井城攻城戦を舞台に、白井浄三の悲しい過去、そして、未来に期待を抱く日々を描いています。苦しい過去であっても、一日一生の思いで生きていけば、その過去が自分の現在に活き、将来への希望の輝きになることを学びました。常に考え行動すべきは、「いまここ」です。
『最低の軍師』(箕輪 諒著、祥伝社文庫、本体価格740円)
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