新年に地震、そして、復旧、復興の道を歩き始めた矢先に豪雨被害を被った能登。地震発生源に暮らし、地球温暖化、いや沸騰化に巻き込まれ、日本では災害はいつどこで起きるかわかりません。約30年前の阪神淡路大震災では、都市部でもまだ存在したと私自身が考える「シマ思考」はデジタル化の進展とともに脆くなっていると思います。
本書では、これからの時代に「離島」から学べる豊かさのヒントを詳述し、「頼りになるものごと」「よすが」である「シマ」を取り戻す、もしくは培っていくことを訴えています。この「シマ」とは自然と共に生きるということであり、また、自助とともに共助できる人間関係を持つ地域を育てることです。「助けて」と言えるには、日頃からの関係性、地域の祭りや共同作業などに参加することから始まります。
都会人にこそ読まれるべき書籍です。
『世界がかわるシマ思考 離島に学び、生きるすべ』(世界がかわるシマ思考制作委員会著、NPO法人離島経済新聞社編集、英治出版、本体価格1,900円、税込価格2,090円)