博多で塾を経営されている鳥羽さん。彼の人間を観る(診る、看る)視点はとても温かい。特に子どもへの愛情は深い。塾で三者(親子と塾の先生)面談での模様が多数書かれていますが、子どもの教育や生活態度について親は語る根本は保身であったり、上手く育てれないために自罰的になるため、精神的、心理的な圧力が自分の子どもへ負荷されます。それが何度も繰り返し行われると子どもにはトラウマになったり、子どもの潜在意識に負の意識が沈殿していきます。
そうならないためにも、現実のいまここに味わいつつ向き合い、「大人に必要なのは、子どもを理解することではなく、子どもと自分との関係性を理解すること」と述べられています。子どもの課題に対し、俯瞰的に観察し、子どもの心を開いていくように話すべきと頭でわかっていても、実際は自分に引き寄せて考え話してしまいます。
子どもを育てるのは初めてでも、子どもとして育てられた経験から、親からの手ほどきを子どもに施してしまう、負の連鎖にならないためにも、親としては一読すべき本だと思います。子どもが親になった今でも、この本を読むと後悔しかありません。
『おやときどきこども』(鳥羽和久著、ナナクロ社、本体価格1,600円、税込価格1,760円)
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