こんにちは。新4年目の門野です。
ボート部では普段の練習以外にも、レースや練習に向けて色々な作業を行っています。
様々な仕事がありますが、北大ならではの仕事として、「ブイ直し」があります。
一体どんな仕事なのでしょうか?
まずはブイ直し作業が必要である茨戸川のペケレットコースの説明です。
ペケレットコース(2,000mコース)は、コースの中心に1から20までのブイが並んでいます。「1」は100m、「2」は200mといった具合に100mごとの目印となっています。
ブイの番号はB地点側(スタート側)が若い番号で、A地点側(ゴール側)にむけて数は増えていきます。
これらのブイは、戸田のコースや、茨戸の1,000mコースとは異なり、1つ1つのブイが独立しています。
それぞれのブイには、コンクリートブロックや石などがついたロープがついています。ロープの長さは、増水時に備えて、少し余裕を持った長さに設定しています。
静水時のロープは下のブロックからまっすぐと伸びていますが、風が強い時には風下側に少し流されます。
さらに風が強い時がしばらく続くと、下のブロックごとずるずると流されてしまいます。レース前に強風が続くと、このようにまっすぐ揃えていたはずのブイがずれてくるので、調整が必要になります。
ではそのブイ直し作業とはどのように行うのでしょうか?
作業はモーターボートに乗って実際にブイを動かす水上チームと、モーターボートに指示を出す陸上チームに分かれます。
陸には
・双眼鏡を使ってブイの位置をチェックする人
・水上で作業している人に電話をかけて指示を出す人
の少なくとも2人は必要です。
モーターボートには、
・運転手1人
・陸上チームから電話を受ける人1人
・ブイを実際に引き上げ移動させる人2〜3人
が必要です。
ブイがまっすぐとなっているかどうかは、陸Aの足元の目印と、約2,500m先のB地点にある目印を結んだ直線上にブイがあるかが基準です。
陸上チームは、双眼鏡を使って対象のブイがずれいているかどうかを確認します。ずれているブイを見つけた陸上チームからの連絡を受けた水上チームは、該当のブイを引き揚げます。ブイを引き揚げたら、陸上チームから「〇〇側に少し移動」と指示を受けて、運転手はそれに合わせてモーターボートを移動させます。直線上にモーターボートが移動したら、陸上チームから合図を送りブイを落とします。ブイを移動させたら、陸上チームによるチェックのためにその場から離れます。OKが出たら、次のブイに移動します。
地点Aから近いほど明快なため、作業は2,000mのブイから直していきます。
と、ここまで説明しましたが、一筋縄にはいきません。
ブイ直し作業は静水無風の日を狙って行いますが、モーターボートは急に止まれないため、移動し過ぎてしまう、ということが多くあります。
陸上チーム「もう少し、生振(おやふる)側に!」
水上チーム「了解です!」
(移動)……
陸上チーム(直線上にあるのを確認して)「ハイっ」(合図をおくります)
水上チーム「よしっ!」
(ブイを落とす)
(その場から離れる)
水上チーム「どうでしょうか?」
陸上チーム「待って、行き過ぎだわ!もう少し、ガトキン側に!」
もう一度やり直し!
という具合になります。
そのため、水上チームはモーターボートの動きを読んで合図を送らないといけません。
また、「20」のブイはゴール地点を示すため、地点Cと地点Dを結んだ直線上にも合わせないといけません。「20」のブイを調整する時には、地点Dからもモーターボートに向かって指示を出す人がいます。
(「20」のブイが正しい位置にないと、選手は自分がいつゴールしたのかわかりません。その他のブイは「20」のブイから目分量で100mごとに並べていきます。500m地点と1,000m、1,500m地点には2,000m地点と同様に陸にも目印があるため、それを参考に並べる)
作業は大変で、すべてのブイを揃え終わるのに2〜3時間かかることもあります。ブイを引き上げた漕手も、運転していたマネージャーも、陸から指示を出していた部員も皆クタクタになります。ただ、次の練習時にきれいに揃っているブイを見ると、苦労して並べた甲斐があったな、という気持ちになります。
ブイがきれいに並んでいれば、普段の練習でコックスが艇をまっすく進める練習の一助になります。実際の定期戦においては、公平なレースを行うためにはブイをきれいに並べる運営としての責任もあります。ブイ直し作業は非常に大事な仕事なのです。
今年も小樽商科大学との定期戦をペケレットコースで行う予定ですので、必ずブイ直し作業をすることになります。選手がストレス無く漕げるように揃えること、経験を生かして昨年よりも短い時間で終わらせること、を目標に頑張りたいと思います。
《補足説明》
最初から地点B(スタート)から地点A(ゴール)までを一本のロープで繋げた方が楽なのではないか?と思う方もいるかもしれません。ただ、約2.5kmの長さのロープを張るのは簡単ではありません。ペケレットコースは、雨によって水位も変化しますので、ロープをピンと張ったつもりでも、緩くなってしまうことが考えられます。また、風が強いことが多いので緩みを持ったロープでは、その度に風下側にロープが流されることになります。原始的とはいえ、現在の方法が最も現実的なのです。
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