09年7月号「通勤の謎PART3」はこちら。
さて、今号も××小(離島)と○○中合同の事務だよりにします。別に楽をしようと思っているわけでは(あまり)なくて、両校の職員に共通のお知らせがあるからです。
○○中の場合、以下の人に「公務員共済年金のお知らせ」なる封筒を給料といっしょにお届けしました(でかいので給料袋に入らない)。
・今年の3月31日に公立学校共済組合員だった(つまり今年の新採者はなし)
・来年の3月31日に57才以下である
これはなぜかというと、今回のお知らせは、あくまで公務員の期間について説明する建前になっているからです。他の部分(厚生年金とか国民年金とか)は社会保険庁が発行する「ねんきん定期便」がメイン。
では、なぜ58才以上の人には配布されないか。
その人たちには目前にひかえた年金請求のために、懇切丁寧な説明会が行われる(行われた)からです(本当は、まもなく提示される実際の年金額と差が生ずるのが嫌だからかも)。
わたしも商売が商売なので毎年のように年金説明会には参加しますが、退職が近い人たちの顔には例外なくこう書いてあります。
「しちめんどくさい理屈はいい。結局いくらもらえるんだっ!」
で、分厚い資料など無視して自分の年金額の試算表を熟読する……いつものことです。
しかし逆に言うと、その人たちの多くは『その時点まで自分の年金額を知らない』のです。老後の生活設計の基礎となる年金がいくらなのかを知らなければ、ライフプランなど立てようもありません。
同じことが若い世代にも言える。だから、今年から「退職したらこれだけもらえると思います」という数字を明らかにすることにしたのです。年金にもっと意識的になれ、ってわけ。
さあ見てみましょう。あなたの年金見込額が書いてありますよ。
“Ⅲ 将来受給することとなる退職共済年金の見込額”……ここがまず重要。
なにより、実は①の年齢が人によって違います。公務員に支払われる退職共済年金(ほんとはこれ、正確な名前ではないんだけどすっ飛ばします)は、生年月日によって支給が開始される年齢が違うのです。
~昭和28年4月1日までに生まれた人 → 60才
~昭和30年4月1日までに生まれた人 → 61才
~昭和32年4月1日までに生まれた人 → 62才
~昭和34年4月1日までに生まれた人 → 63才
~昭和36年4月1日までに生まれた人 → 64才
昭和36年4月2日以降に生まれた人 → 65才
……昭和28年4月2日以降に生まれた人は、“退職してから年金を受給するまでに空白期間がある”ことをおぼえておきましょう。
その下の“Ⅳ 老齢基礎年金の見込額”の欄には、例外なく『65歳』と印字されています。ですから、ものすごくおおざっぱに言えば、
65歳になったらⅢの額とⅣの額が合算されて支給されるのです。
つまり、今年の3月に退職したと仮定するとⅢとⅣの真ん中の額の合計。60歳まで勤務した(掛金を納入した)と仮定した場合は下の段の合計があなたの年金見込額です。え?オレのには下の段には***********ってしか印字されてない?
それはですね、あなたが50才以下だからです。どうして50才以下だと見込額が提示されないか。それは『あまりにも不確定要素が多すぎて将来の年金額を示せない』からでしょう。ふ、不安。
その不安を払拭するかのように、年金財政について解説した「財政再計算の結果について」も配布しています。なんか、これだけ「だいじょうぶです」「不安はありません」と連呼されるとかえって……。
09年9月号「山○銀行VSゆうちょ銀行」はこちら。