カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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種子島南部で局地的豪雨 解析雨量図では典型的な形

2011-06-07 23:50:22 | インポート

①6月7日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②6月7日9時のレーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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③鹿児島県内気象庁観測地点一覧(赤二重丸は気象官署 赤丸はアメダス4要素※風向風速,気温,雨量,日照観測地点 青丸はアメダス雨量観測地点 緑色は空港など気象庁以外に委託観測地点です。) 気象庁HPより引用

Map88

梅雨前線が九州の南で活動が活発となり、種子島・屋久島地方では、昨夜から局地的に豪雨に見舞われました。

特に、種子島南部の上中では、6月7日17時10分までの24時間に、324㎜もの降水量を観測しました。

引用図②③より、6月7日9時現在、屋久島と種子島との間の地形的な鞍部に沿って、西北西~東南東方向に帯状に非常に激しい降水域が分布しており、引用図にはありませんが、6月7日1時~9時までの風向分布を見てみると、種子島北部に位置する種子島測候所では、東南東~東~東北東に分布していましたが、屋久島南部のアメダス屋之間では、西南西~西風となっていました。

このことより、種子島南部周辺の地表付近では、局地的な気流の収束部分があるものと推測され、同時に、種子島と屋久島の地底的に鞍部に隣接していることも手伝って、前記した、激しい降水域が西北西~東南東方向に、帯状に形成されて停滞気味となった ことが、今回の豪雨につながった と私は考えます。

以前、本ブログで、前線(梅雨前線に限りませんが)を一本の線としてではなく、一本の帯として捉えるべき と書きましたが、まさに、この所以です。前線は、帯状に相当温位のコントラストが強くなっている箇所であり、当該帯状部分内には、下層で気流の収束等あって、これまた、帯状に局地的に強い降水域(おもに相当温位のコントラストの強い帯状域の南側に圧倒的に多いですね(筆者調べより)。)が存在しうるものなのです。