カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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北東気流,関東だけを曇らす。

2006-03-07 22:50:22 | インポート

06030712 ※引用図は7日12時の天気図です。気象庁HPより引用。

7日は、三陸沖に進んだ高気圧から湿った北東の気流が関東平野に流れ込んだ為、関東地方だけどんよりとした曇り空となってしまい、気温も低く、肌寒い1日となってしまいました。

この、北東気流は、関東の東海上を吹いてきますので湿っています。が、オハイオ州立大学HPから引用の、茨城県館野のエマグラムをみると、この北東気流は、せいぜい1000メートル上空までしか及んでなく、2000メートルより上空では、南西から西よりの風となっており、風向が1000メートルから1500メートル上空あたりで、風向の明瞭なコントラストがあります。 200603070047646

実は、今日のように、関東地方のみを曇らす北東気流による雲は、関東平野に湿った北東気流が流れ込んだところへ、この、上空1000メートルから1500メートル上空あたりの風向の明瞭なコントラストが発生することで、この付近に鉛直方向へ上昇流が生じ、背の低い雲が発生することが原因となります。

ですので、関東平野を取り巻く山地(海抜1500メートルから2000メートル以上はありますよね。)を越えられず、関東山地を境にして、すぐ西側の甲府盆地や静岡平野あたりでは、関東平野が曇っていても、うそのように晴れ渡っていることが多いものです。 200603071200002 200603071200003 20060307120000

引用図左側は、7日12時の雲画像図(可視画像。雲の密度が多いほど白く写る。)、真ん中側は7日12時の雲画像図(赤外画像。雲の高さが高いところにある雲ほど白く写る。)、それに、右側は7日12時の関東地方周辺アメダス日照図です。(それぞれ気象庁HPより引用。)

おのおのの引用図より、関東平野周辺のみ雲に覆われていますが、この雲は、雲の密度はあり、この雲の下ではどんよりとした曇り空となっているものの、当該雲の背は低いものであることがわかります。このために、この雲は関東山地を越えられず、関東平野は日照はありませんが、関東山地のすぐ西側の、山梨県中西部や静岡県富士川より西側では、日照に恵まれて、晴れ渡っている様子がわかりますね。


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