カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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東北南部や関東甲信に季節外れの雪が 東京では41年ぶりの最遅積雪

2010-04-17 23:47:18 | インポート

①4月17日3時の天気図 気象庁HPより引用

10041703

本州上空には真冬並みの強い寒気が流入して、本州付近を低気圧や前線を含む気圧の谷が西から東へと通過したため、4月16日夜から4月17日午前中にかけて、東北南部から関東甲信地方では季節外れの雪となりました。

17日昼までに、栃木県の那須では40cmを超す降雪となりましたし、東北南部から関東甲信地方の山間部では、あちこちで10cm以上 雪が降り積もりました。

東京(気象庁のある千代田区大手町)でも、17日明け方にかけて、雪がうっすらと積もり、昭和44年4月17日の降雪2cm以来、41年ぶりに、積雪の最遅記録に並びました。

降水が雨にならず、降雪となるのは、

Ⅰ:おおむね地上付近で2℃以下、湿度が75%以下 

Ⅱ:上空1500m付近で-6℃以下(南岸低気圧の接近時の関東では-3℃以下)

となりますが、

Ⅲ:関東平野の場合、低気圧が本州南岸を通過する場合で、北海道の東から三陸沖の下層(上空1500m付近より下側で寒気移流が顕著となっている場合で、当該寒気移流の場所から北東風が関東平野上空に吹き込んでおり、当該北東風が次第に強まる場合

ですね。

ここで、引用図② 16日21時気象庁発表のAXFE578図 (日本気象予報士会HPより引用)をご覧いただきましょう。

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引用図②下側図より、北海道の東から三陸沖で風向(北西~北東風)が等温線に直交しており、この地域で寒気移流が顕著になっていることを示していますが、当該地域より、関東平野上空に向かって北東風~東風が吹いていますが、紀伊半島沖上空に低気圧性循環が見られ、引用図②上側図より、550hpa(上空5500m付近)の正渦が九州付近にあって、紀伊半島上空では、当該正渦の東側(西谷)になっていますから、前記した紀伊半島沖上空1500m付近の低気圧性循環は、今後さらに強まると見られ、関東平野上空では、次第に北東風(北海道の東から三陸沖での寒気移流が顕著な地域から吹きつけています。)が強まる状態でした。

まさに、前記Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを満たしつつある気象状態でした。

関東平野で降雪となる為には、上空の寒気流入と、下層(上空1500m以下)の寒気を関東平野に如何に呼び込むか?がポイントと言えそうです。当該、下層の寒気が関東平野内陸部で地形的に澱んで、更に気温を低下させるためであることは、以前、本ブログでも紹介しましたが。


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