①10月1日15時の天気図 気象庁HPより引用
②10月1日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工
台風17号は、昨日9月30日19時頃、愛知県東部に上陸し、その後、本州を縦断して、30日15時には、北海道の東海上へ進んでいます。
東京など首都圏始め、中部地方や東北地方、北海道東部などのあちこちに瞬間で30毎秒を超す暴風が吹き、東北地方や新潟県の一部などで、1日15時までの24時間雨量が200㎜を超す大雨をもたらし、更には、東海地方~関東地方~東北地方の沿岸にかけて、台風の接近と満潮時刻が重なったため、所によっては通常水位より1mを超す高潮をももたらしました。
台風が去った1日、関東や東北地方太平洋側では、台風が持ち込んだ暖気が残り、これに、山越えのフェーン現象も重なったため、日中、気温が上昇し、東京では、10月としては、平成17年10月2日以来7年ぶりの真夏日を観測したほどです。
台風が通過後、よく、1日のように台風から持ち込まれた暖気が残り、日中、気温が上昇することが多いものですが、気温が上昇した後、決まって当該暖気の明瞭な境の部分がやってきます。
当該、暖気の境目の部分では、地上天気図上、前線として表現されないことも多く、このような場合、雲画像図でしか表現されません。これは、台風が持ち込むような暖気は勢力が強いため、後続の相対的に気温の低い気団が西から進んでくる場合、前側の暖気域に、幾重にも(私の調査の経験上、2~3本が多いですね)帯状の上昇流が発生するためです。
当該、暖気域に帯状に発生する上昇流域の一番暖気側の部分が、地上天気図上の前線として表現されることが多いように見受けられますが、こと気温の明瞭な変化については、暖気側からは最後尾の部分(水蒸気画像で暗域との明瞭なコントラストで写しだされています。)の通過後となります。
引用図②では、前線として上限されている上昇流域は A 、気温の明瞭な変化を示すのは、Bの通過後となりますね。
言ってみれば、 引用図②内 Bの箇所も、いわば、天気図上で表現されない前線 と言えそうで、隣接する、水蒸気画像で暗域にあたる地域で寒気移流となっています。当該、温帰途の境目付近では、中層から上層では気流が乱れていることが多く、航空機が当該箇所を通過する場合、機体が非常に揺れやすいものです。
さらに、関東地方や東北地方太平洋側で注意する点は、前記、B は前線としての性質を備えているものですから、暗域が北方向へ広がる分布をする場合は、東海上からの気流が入り、雲が多くなりやすくなります。北高型となるわけですからね。