カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風4号は温帯低気圧へ 台風の置き土産で関東甲信は高温 東京都心では本年真夏日

2012-06-20 23:31:55 | インポート

①6月20日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②6月20日22時までの全国最高気温分布図 気象庁HPより引用

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③6月20日12時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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昨夜から本日未明にかけて、台風4号が本州を縦断して、東京都心などでも瞬間風速で30m(毎秒)を超す暴風雨をもたらしましたが、20日9時に、三陸沖で温帯低気圧に変わりました。

台風4号が通過後、台風を取り巻く暖気が置き土産として東日本に残ったことと、台風4号や、台風4号から変わった低気圧に吹き込む南西風が中部山岳で山越えのフェーン現象を引きこしたことも相俟って、引用図②のような、関東・甲信越地方や静岡市周辺では、日中、気温がうなぎのぼりに上がりました。

最高気温は、東京多摩地区八王子で34℃、甲府で33・5℃、東京都心でも30・2℃を観測して、東京都心では、本年初の真夏日となりました。

一般的に、台風が通過後に、台風の進行方向左側に高気圧の張り出しがあまり強くない場合は、台風の置き土産ともいえる、暖気が残っているもので、関東地方や甲信越地方、静岡市周辺では、今日のような高温になりやすいものですね。

ただ、引用図①と引用図③とを見比べると、地上天気図上の前線の西側に、水蒸気画像の明域が帯状に連なっている場合、暖気が残るものの、地上から中層(上空およそ3000m付近)までは、気流が乱れているもの。地表付近では、風向が小刻みに変化するなど、気流の流れが乱流となります。

このような状況下では、航空機などが乱気流に遭遇しやすいもので、20日は、羽田空港や成田空港を離発着する航空機の多数より、乱気流に遭遇したとの報告がありました。

成田空港では、20日午後、着陸時に機体のバランスを崩して、機体に損傷を受けた旅客機が発生しています。これは、地表付近で気流が乱れる低層乱気流が原因であると私は考えています。