カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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西から低気圧接近。関東平野では地表に冷気まとわりつく。

2006-01-14 20:15:27 | インポート

06011415 ※引用図は、14日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

14日は、低気圧が本州南岸を発達しながら東進し、本州付近の上空には南から暖かい気流が流れ込んだため、今回は、本州各地では雪ではなく 雨となったところがほとんどでした。

このため、北陸や山陰など、これまで、かなりの積雪のあるところでは雪解けが進み、山間部では なだれが多発しました。このなだれのため、交通機関に影響の出た個所もありましたね。 ただ、関東平野では、地表付近には冷たい空気が滞留し、東京など、1日中肌寒い陽気となってしまいました。 Photo Photo_1 Photo_2

※引用図は、オハイオ州立大学のHPから引用しました、館野(茨城) 八丈島 浜松の3地点の、14日9時現在の3000メートル上空までの気温の様子図です。

八丈島や浜松では、すでに、地表付近では10℃を超えて、この時期としては、かなり気温があがっていますが、関東平野のほぼ中央部ある館野では、ようやく2~3℃と寒々しくなっています。 この現象は、高気圧が移動性となって、関東東海上に抜けて、西から低気圧が進んでくる場合に、関東平野ではよく見かけられることです。

高気圧が関東東海上に抜けて、関東の東海上で、等圧線が南北か、北西~南東方向に走る場合、このように関東平野の地表付近に冷気が滞留してしまう現象が発生します。 これは、、関東の東海上に親潮が北から流れているため、関東東海上で東風や南東風が吹いても、この親潮の海流の影響で、北向きに風向きが変って関東平野に入り込み、この気流自体、関東平野内で澱んでしまうため

このようにして、関東平野の地表付近に冷気がたまりやすくなります。

20060114150000200601141500001 ※引用図は14日15時の関東周辺アメダス気温図と、風向風速図です。気象庁HPより引用。

ただ、関東の南岸部までは、この冷気はかかりにくく、引用図のように、神奈川県沿岸部から千葉県沿岸部にかけて、気温と風向の明瞭なコントラストを形成する場合が多いものです(このコントラストを沿岸前線と呼んでいます。)

この沿岸前線上では、特に雨量がまとまり、時には突風や竜巻と言った、シビアーな現象を引きおきします。 14日夕刻から、当該 沿岸前線が発生している、千葉県から神奈川県三浦半島、それに静岡県伊豆南部では、局地的にかなりの大雨となっています。