カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

台風14号、明日九州から四国へ上陸か。宮崎では竜巻も。

2005-09-05 19:26:15 | インポート
台風14号が、奄美大島の東海上をゆっくりと北上しています。

4日17時の気象庁発表台風14号進路予想を見てみましょう。(気象庁HPより引用)
0514

気象庁進路予想より、この台風14号、明日には、九州から四国へ上陸する公算が強まってきました。

その後、西日本を縦断して日本海を北東へ進み、7日夜には北日本へ接近する見込みですね。

台風の進路によっては、九州をかすめて日本海に入り、日本海を北東に進むことも考えられます。
こんな進路を台風がとると、1991年の、あの台風19号(通称りんご台風などとも呼ばれています。)や、昨年の台風18号の進路と瓜二つで、日本列島全般的に風が強まり、普段、台風の影響を受けにくい北日本でも、大きな影響を受ける恐れもあります。

また、台風自体、規模が大きく移送速度もゆっくりです。おまけに、本州上には秋雨前線が停滞しています。

こんな場合、東北より西の各地では、大雨が長時間続いてしまうようにもなります。

海上では高波、また、今は大潮の時期ですので、西日本の沿岸部では高潮にも警戒が必要です。

そして、もうひとつ、忘れてはならないのは、今日も宮崎市内でありました。竜巻です。

今回の台風14号接近前の気圧配置ですが、北日本の東海上にも、優勢な高気圧があるのがわかります。
※4日9時の天気図(気象庁HPより引用)
05090509

こんな気圧配置の場合、台風が接近しても、山地を北から西側に抱えている地域では、地形的に地表付近では北から北東の風が吹き続けるようになります。ところが、そんな状態のところに台風が接近し、おおむね1500メートル上空より上では南東から南より風が強まります。

このような場所に、台風を取り巻く雲の帯が通過すると、竜巻が発生するようになりますね。

過去の台風の事例を見ると、前記のようにして発生した竜巻は、意外に多くなっています。

5日10時30分ごろ、宮崎県宮崎市付近で竜巻が発生して、クレーン車が横転する被害も発生しました。
その竜巻が発生した時刻に近い、5日10時30分の雲画像図(赤外で拡大)と、5日10時のアメダス九州南部の風向風速図をご覧ください。
200509051030-00
200509051000-00

ご覧のとおり、宮崎市付近は北東の風ですが、台風を取り巻く雲の帯が南から宮崎市上空に差し掛かっている様子がわかります。

過去の台風の事例より、これから6日にかけて、高知平野や愛知県三河湾沿岸あたりも、竜巻が発生する可能性も強いと言えますね。
また、静岡県沿岸か関東平野にかけても、6日後半から7日にかけて竜巻の発生を疑ってみたほうがよさそうです。