ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

残雪とリハビリ:リハビリにしては・・・

2013年06月14日 22時37分35秒 | Weblog
谷川岳警備隊の方々が先に上って行くルートは、先が見えないほど遥か彼方の頂へと続いている様にさえ思えた。
それだけ長く急登攀に感じたのは一か月ぶりの雪山ということ、そしてその間殆ど運動らしきことから遠ざかっていたことによる「鈍り」だろう。

またガスがかかってきた。
碧空かと思えば急にガス。
しばらくはその繰り返しだったが、PEAK付近は常に碧一色の世界が澄み渡っている。
「早くたどり着きたいなぁ・・・。」


そう思いながらも焦りは禁物だ。
今日の第一の目標はリハビリ的登山であること。
時間は気にせずゆっくりゆっくりでいい。
(分かってはいてもついつい急ぎ足になってしまっている自分だった)

まだ最後の登攀は始まったばかりだというのに、やや息切れ気味になってしまっていた。
警備隊の人達はとっくに先へと進んでいるというのに・・・。

幸いに右膝の痛みは出ていない。
「よっしゃ、もう少しだけピッチを上げてみるか。」

大きく鼻から息を吸い深呼吸を繰り返した。
「そっか、今日はブリーズライト持ってこなかったなぁ・・・。」

本来人間は鼻呼吸をする生き物なのだが、例えば100mを猛ダッシュした後は無意識で口呼吸をして息を整えようとする。
自分の場合、登山において心臓がバクバクするほどつらくなったら敢えて鼻から息を吸い深呼吸を繰り返す。
その時に「ブリーズライト」を貼っていれば「うっそー!」っていうくらい呼吸が楽になるのだ。

忘れてしまった物は仕方がない。
やはり焦らずのんびりと登攀を再開した。

次第に傾斜がきつくなってきた。
明らかに先ほどとは違うことを体感している。


敢えてトレースの無いルートを上ってみた。
アイゼンが気持ちいいほど食い込んでくれる。
だがやはり急斜面はきつい!
「リハビリにしては厳しいなぁ・・・。痛みはないけどやっぱりきつい。」

そんな独り言が出始めた。
見上げればため息が出るほどまだまだ先は長い・・・。