ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

吾妻連峰縦走~飯じゃぁ~♪

2010年09月29日 23時33分41秒 | Weblog
家形山を下れば、ニセ烏帽子山までは比較的フラットな樹林帯を進む。
遅れた時間を少しでも取り戻すにはここしかなかった。
みんなには申し訳なかったが、やや急ぎ足で歩いた。
雨が降らなかったことも幸いし、若干ではあるが時間を稼ぐことができた。

午前2時半に起き、現地に到着したのが7時。そこで朝食は摂り、途中行動食も摂った。それでも運動量と起きている時間の長さを考えれば腹ぺこだ。
水分、塩分、糖分、そして炭水化物の摂取は縦走において大切なのだが、できれば「プラスαの温かい食べ物(飲み物)」があれば、登山においては小さな幸せを感じることができる。
今日の昼飯はドライカレーとおにぎり。そしてオニオンスープと食後の珈琲だ。
早速湯を沸かし、フリーズドライのドライカレーに湯を注いだ。
そしてみんなには暖かな珈琲を。
残念ながら曇っていて視界は良好とは言えなかったが、1900メートルの高地で食べる味は格別だった。もちろん仲間と一緒に食べる楽しさもある。
心から落ち着くひとときが、山の頂で静かに流れていた。

吾妻連峰縦走~家形山からニセ烏帽子山へ

2010年09月29日 22時51分39秒 | Weblog
一切経山のガレ場を下り、五色沼の畔へと出た。
ここで小休止。今回残念ながら参加できなかった同僚のO氏へ連絡をしてみた。
「行きたかったぁ~」という想いが言葉から伝わってきた。

ここから家形山への登坂は、再びガレ場的なルートとなっていた。
さすがにビビリ君も気を引き締めているようだった(笑)。
しかし自分が心配していたのは「T」さんだった。
出発前にザックを持たせてもらい「おっ、軽い。羨ましい」と思った。だが、泊を伴うだけに日帰りトレッキングと比べればそれなりに重量はある。
そして再びガレ場の登坂とくれば、ビビリ君以上に気を配ってあげなければならない。
が、しかしだ。いたって涼しい顔で登り切った。
「大丈夫?」
「ぜんぜん!」
なんと頼もしいことか。

一方TOTOさん。
彼にはある意味気の毒なのだが、那須連峰の時と同様に「しんがり」を努めてもらった。
グループでの登山の場合。先頭はサブリーダーで、2番目に最も体力や諸々な心配が予想される人を置く。今回は黄色いジャケットを着た人だ(笑)。
そしてしんがりはリーダーが努め、後方から全体を把握する。
本来の計画では、ルートを知っているO氏が先頭となり、最後方を自分が努めることになっていた。
だが、O氏のいない今回、自分が先頭を歩くのが筋であり、最後方をTOTOさんにお願いするしかなかった。
2度目の経験で後ろから全体を把握してもらうなどと、そんなことは頼めない。その分自分が頻繁に振り返りながら進むべきだ。

さて、家形山山頂での出来事。と言うか笑えるハプニングがあった。
とある黄色いジャケットを着た人が、「ふぅ~」と大きなため息をつきながら、休憩するために腰を下ろした。
下ろした先には丸太が横たえてあった。
ゴロ~~ン。ドテッ!
見事に背中から地面にひっくり返ったのだ。
何が起きたのかというと、腰を下ろした瞬間にその丸太がくるりと回転し、黄色いジャケットを着た人はその勢いのまま後方にひっくり返ってしまったのだ。
今回ばかりは「気の毒に・・・」とは思えず、みんな爆笑。
もちろん怪我がなかったことは嬉しいが、黄色いジャケットを着たあの人はどんな時でも笑いと癒しをもたらしてくれる貴重な存在だ。


吾妻連峰縦走~ある意味期待通り!

2010年09月29日 22時20分38秒 | Weblog
ガレ場の下りは、一歩間違えると大怪我につながる。
小幅でゆっくりと、軽く膝を曲げ確実に地面をとらえながら下る。決して気を緩めてはならない場所なのだが・・・。

この写真はある意味登山のHOW TO雑誌に掲載できるものだ。
『黄色いジャケットを着ている人をよく見て下さい。ルンルン気分で、まるでスキップをしているが如くガレ場を降りているのがわかりますね。これはガレ場を下りるときの危険で最も悪い例です。後方の赤いジャケットを着ている人はどうでしょうか。前の人と比べてもわかりますように、小幅でゆっくりと、そして軽く膝を曲げた状態で降りているのがわかると思います。これが安全で最も怪我をする確率の少ない正しい下り方です。』

おそらくはこんなコメントが写真につけられるのではないか(笑)。

さて、この直後のことだった。
先頭を下りて行く自分の耳に「ガガガー ズズー」という、明らかに誰かが転倒したと分かる音が聞こえてきた。
音から判断するにさほど大した転倒ではないことはわかった。そして誰が尻餅をついたのかも、振り返ることなく直感でわかった(笑)。
「ほら、やったぁ!」
幸い怪我はない。ないが、へたをすれば前を下りている自分が転倒滑落の巻き添えをくらうことになっていた。
「ガレ場の下り方は教えたろう。ここはビビリでいいんだから。ビビッて下りた方がかえって安全なんだから。」
立つ瀬のないビビリ君だった(笑)。
だが、誰もが少なからず期待していた通りの展開が本当に起きるとは・・・。
怪我だけはしてくれるなよ。
と言うより、自分が怪我をさせてはならない立場にあることをあらためて思い直した。

吾妻連峰縦走~共有と分かち合い

2010年09月29日 00時55分52秒 | Weblog
一切経山山頂に着いたが、猛烈な強風に襲われた。
今回で3度目のこの山だが、こんな強風は初めてのこと。
おそらく気温は12℃ほどなのだろうが、汗をかいて冷えた体にはこの強風は堪えた。
風速1mの風が吹けば、体感気温は1℃下がる。
つまり、汗をかき冷えた体であるが故に、体感気温はわずか数℃、或いはマイナスであろうと推測する。
早くこの場から歩き出さなければと考えたが、どうしてもみんなに見せたい風景があった。
少し歩けば山頂から見下ろす形で次のルートへとつながり、そこから見えるのが「五色沼」だ。
本来晴天であれば、紺碧の空がそのまま湖面に映し出され、周囲の緑と碧との素晴らしいマッチングが見られるのだが、あいにくの曇り空だった。
それでもどうしてもこの風景を見せたかった。
「うわぁ~~!」「おぉ~~すげぇ~!」
その言葉が嬉しかった。
自分の足でしか来ることができない場所。汗をかいてこそ得られる感動を味わってほしかった。

さぁ、ここからは危険なガレ場の下りだ。
みんな気をつけて。特にビビリ君。
でもある意味君に期待してるよ(笑)。

吾妻連峰縦走~仲間

2010年09月29日 00時09分35秒 | Weblog
みんな職場の仲間であり、自分にとっては後輩にあたる。
TOTOさんを山に誘ったのは自分だ。同じ部署にかかわった関係で、何気なく誘ってみたところ「はい、是非・・・。でも自分なんかで大丈夫でしょうか。」
彼らしいどこか控えめな言葉であったが、一つ心配なことがあった。
お子さんがまだ幼く、二人とも就学前だということだ。
つまり育児に近い家庭環境であり、TOTOさんが登山で家を空けるということは、育児や家事全般が奥さん一人の手に委ねられてしまい、奥さんに負担が大きくのしかかってしまうことになる。
それがきががりだった。
「いえいえ、まったく問題ないです。大丈夫ですから。」と、笑って答えてはいたが、自分も経験しているだけに、TOTOさんと奥さんに申し訳ない思いだ。

紅一点の「T」さん。
はっきり言って美人である。
しかしその顔からは想像もできない体力と持久力と度胸の持ち主。
「女はわからん」の典型だろうか(失礼)。
アウトドアーが大好きだとは聞いていたが、初めての登山が縦走でしかも泊を伴うわけだから、彼女にとっていろんな場面で不利な状況になることは必至だ。
であるにもかかわらず「是非一緒に!」と言ってきた。
男性であるこっちが気を遣う場面もあるだろうが、逆に気を遣わせまいとする彼女の気持ちがいじらしかった。

さてさて、仕方がないのでついでにもう一人。
「ビビリ君」の登場だ。
メンバーの中で一番若い。はっきり言って自分とは親子ほどの年の隔たりがある。
社会人になって何か趣味を持ちたいという思いがあったが、何をしてよいのかがわからなかった。そんなときに彼と出会ったのがきっかけだった。
今ではいっぱしの登山家気取りだが、自分から見ればまだまだ初心者。だが何故か可愛い存在だ。
今回の縦走でこんなことがあった。
縦走の途中で「これはこうなんですよ」とか、「ここはこんな風に」などと、Tさんに登山の知識や技術のノウハウを語っていた。
もちろんすべて自分から得たものばかりだ。
「おいおい、あまり言ってしまうと持ちネタが無くなるぞ」と自分が茶化すと「はい、もうすでに8割使ってしまいました」と。一同大爆笑だった。
そんなビビリ君がいてくれたおかげで、心身が疲れていても常に笑いのある、癒された縦走となってくれた。