「糸満大綱引」後篇【大綱引】

2010年09月25日 00時05分00秒 | 沖縄現地情報
  
▲<「道ズネー」が始まる前の国道331号線に置かれた「大綱」の前で記念写真。綱の大きさが解る>

「糸満大綱引」は、古式伝統を尊守し、毎年、旧歴の8月15日に行われ(今年も9月22日、平日の水曜日でした)、豊年と大漁祈願、家内安全、無病息災を祈る神事です。
「大綱」は、毎年、字糸満の人達で当日の午前中に作り上げます(午前8時~19時頃まで国道331号線を交通規制をして行われる)。全長180m、太さ1.5m、総重量10tです。
「糸満大綱引」は、衆人綱(スニンジナ)、万人綱(マンニンジナ)とも呼ばれ、誰でも参加出来る綱です。

▲<綱引きの前に、「旗頭」の「ガーエー(披露)」が行われます>

北組(ニシカタ)と南組(ヘーカタ)に分かれて引き合います。
競技時間は30分、勝敗は10m引いた方が勝ち(時間内に10m引けない時は、2m以上引いた方が優勢勝ち、双方2m以上引けない時は引き分け)。
昭和21年以前は、時間制限が無く勝敗が決するまで何時間も引き合ったと言われています。平成21年度は、北組の勝利。過去の対戦成績は、北組31勝、南組28勝、4引き分けです。

 
▲<「大綱」の「雄綱(ウージナ)」と「雌綱(メージナ)」を人力で寄せます。左「雌綱」、右「雄綱」>

▲<観ている側にも力が入って疲れる>
  
▲<「カヌチ棒」を入れて結合させると完成です>
雄綱と雌綱を人の力で、引き寄せて結束させます(これが一番時間がかかった・・・)。


▲<糸満の伝説上の人物に扮した若者(シタク)が戸板に乗って現われます。「雄綱」には「マカビチャ―ン」と従者が乗り、「雌綱」には「イチマンマギー」と従者が乗り、向かい合って対峙して、お互い陣営の士気を高めます(いずれも糸満中学3年生から選ばれる)、にらみ合いが終わったら綱引きが始まります>

「糸満大綱引」は、一斉に引き合うのは、最初の数分で、相手が引いている時は、綱に乗って座ったりして休みながら重量をかけ引かせないようにして、疲れが出た頃を測って引くなど、他の大綱引にはない駆け引きの特徴があり面白い。

今年は、約30分間引合った末、昨年に引き続いて「北組」に軍配が上がった。