彦根の歴史ブログ(『どんつき瓦版』記者ブログ)

2007年彦根城は築城400年祭を開催し無事に終了しました。
これを機に滋賀県や彦根市周辺を再発見します。

『安政期の政局と大河ドラマ「篤姫」』講演聴講報告

2010年07月16日 | 講演
『ひこね市民大学講座 歴史手習塾』
セミナー3「NHK大河ドラマから見た歴史」
第2回目の講座として「安政期の政局と大河ドラマ『篤姫』」が開かれました。

講師は『篤姫』で資料提供(時代考証補佐)をされた野本禎司先生。


大河ドラマ『篤姫』の流れに沿いながら、幕府の開国に対する動きや、将軍継嗣問題での一橋派と南紀派の動き、そして桜田門外の変などを手紙などの資料を交えて紹介されました。

この資料を読むと、大河ドラマでのほんの些細な時間で流される部分に該当する資料などが解り、ドラマを作る上でどれほど細かい資料の参考があったかも理解できる内容でした。
今回のお話で特に重要だったのは「役割」というキーワード。『篤姫』でも「役割と家族」が大きなテーマだったそうですが、幕権強化を役割とした井伊直弼、一橋慶喜を将軍継嗣とすることを役割とした篤姫が、徳川家を守るという役割に変っていくなど、人が何らかの役割を持って生きていることの大切さを学んだ思いでした。

講演後に、前回の佐藤先生と同じ質問を投げかけました。
 


《質疑応答》
(編集長)
 私は、直弼は悪人ではなく大悪役だと思います。直弼がいたからこそ新選組や幕末の10年の歴史に繋がると思います。直弼が全てのスタートのイメージがあるのですが、先生から見る井伊直弼像はどうですか?
(野本氏)
 私自身は、力構造を(研究)していますので、それで、江戸時代は身分や役職に応じて「役割」がある。まさに『篤姫』の描き方とほぼ同じでしたので、私自身は『篤姫』での井伊直弼の描き方に異論はありませんでした。
(編集長)
 私も『篤姫』の直弼はイメージとしてぴったり合い、篤姫も幼少から「役割がある」と教えられて育ち、直弼も悪役であり、篤姫を主人公にしているので直弼は本当の悪人になると思ったのですが、悪人でなく悪役で描かれてとても面白かったです。