世間様の衛生観念

生活に支障があるくらい手を洗い続けるような強迫神経症ではないつもりだけど、
ごくごく一般的な感覚（のつもり）でトイレに行ったらそこで手を洗う習慣がある。

それは家に居るときでも外出した先ででも変わらない習慣で、
だから、隣のコンビニにコピーしに行って帰るだけ、みたいな場合でない限り、
ハンカチ（もしくはプチタオル）を持って出かけます。

財布と、携帯電話と、ハンカチ。
ティッシュペーパーを忘れても、ハンカチは持っていきます。

ウイルス対策が声高に叫ばれるようになってからは、
使ってその場で捨てられるペーパータオルを何枚か持って歩くことすらあるくらいです。

しかーし、それなのに、ビヨンド・マイ・アンダスタンディング。

これだけ、何はさておき命を守るために手を洗いなさいと言われて、
頑として、トイレのあとに手を洗わない彼女たちには、
いったいぜんたいどういう事情なり理由があるんだろう。

よく観察できるのが、老舗デパートみたいなところのトイレ。
美しくオシャレに着飾った“ええとこのマダム・マドモアゼル”な見た目の人ほど、
蛇口から出る水を片手の人差し指だけが目にもとまらぬ速さで一瞬横切り、
そのままペッペッペと水滴をはらったその指先を自らの顔の周りの髪の毛になすりつけながら、
ヘアを整えるふりをするのです。

それやりながらトイレから出てくる“ええとこのマダム・マドモアゼル”とすれ違う時は、
すみませんが驚いたようにはねのいて遠くでやりすごすことにしています。