今年の風邪は、いやらしい。
熱はじわ~っと上がり、しかし最高でも38度までいかない。氷枕に冷却パッドで冷やしつつ、もう3月だというのに電気行火(あんか)の目盛を「強」にして毛布と布団にくるまる。
二晩二日の間、熱は37度台で停滞して、頭痛と熱っぽさで、じっと寝ていてもちっとも休まらない。
二日めの夕方、ようやく熱は37度ちょうどでゆらっと不時着した様子だった。週末には起きられるかと少し、安心した。そこへ、第二波がやってきた。
下腹に痛みがあった、その原因らしきゴロゴロ小僧が、熱と入れ替わりに暴れだした。お茶を飲んでも、おかゆをすすっても、少しお腹にものが入るたび、長特急でゴロゴロと出ようとする音がする。こまめにトイレに通っても、そのたび、小用じゃなかったハズなのに、ほとんど水ばかり。
一晩と一日、ゴロゴロ小僧は暴れ続けた。
あらゆる予定をすべてキャンセルして、春分の日から次の月曜日まで6日間のダウン。風邪はひいても、たいてい週末や夜の間に熱にうなされ、翌朝すっきり治ってしまって仕事にでかけていた殊勝な体質のヒイラギとしては、これまでにない長さのダウンである。
熱は下がったし、ゴロゴロ小僧は出て行ってしまったし、ようやく仕事復帰、と、思いきや、軽い頭痛が依然として残ったまま一日デスクで仕事していると、午後のおやつタイムを過ぎたあたりからぽわぁ~っと体温が上昇してくる。4時を回ったあたりでふたたびみたび37度の微熱が復活。
これはイカン、と、早退して、残務を自宅ベッドでこなす、ということを二日間繰り返した。
さすがに上司から「無理して出てきたら罰金」メールが届き、ついに今週いっぱい自宅勤務。食欲はようやく回復してきたものの、いやらしいまでのしつこさの、今年の風邪である。
ダウンしながらも、研究には余念がない。最初に平熱にもどった夜、すかさずニンテンドーDSをとりだし、『やわらかあたま塾』に勤しんだ。
進歩は不意に訪れる。結果、「2325グラム・ケンチクカあたま」。熱であたまがやらわかくなったのか、突然、「名人」からついに「柔王」に昇格した。
そして今日、午前中ひとしきり仕事をして、昼食後のひととき。休憩がてらふたたび『やわらかあたま塾』。本日の結果はまたまた進歩。「2334グラム・ダビンチあたま」。
寝込んでも、タダでは起きないヒイラギ。今年の風邪のいやらしさと引き換えに、やわらか度109グラムアップ。あっぱれだしょ。