黙々。 淡々。 ちゃっちゃ。
というのが、基本的な働き方のヒイラギ。
周りがどんなに“今日のおやつ”で盛り上がっていようと、まず義務的にさばかなければいけない仕事は徹底的に集中してやってしまふ。
でないと、“考える時間”を創りだせないから。
研究員なんて仕事は、なかなかどうして厄介で、決められた時間デスクにいればどうにかなるというものではない。
日々の雑務と、プライオリティや緊急度の高い仕事への対応で、ブツブツと分断された時間をつなぎ合わせて、調べ、学び、発想し、熟考し、組み立て、首尾一貫した論理構成ができたときにはじめて、一気にアウトプットの作成にかかる。
集中力と瞬発力が必要なのだ。
とにかく持ち時間を分断させないために、私はものすごい勢いで研究以外の仕事をまとめて片付ける。徹頭徹尾、全速力で仕事をしているから、自然と無口になる。あまりにも静かなので、周囲にはこのスピード感と密度は伝わらない。
損である。
だから、こないだメールで誹謗されたような事態が起こる。
しかし、夜中の1時を回っても、打てば響くクイック・レスポンスで海外とのやりとりが飛び交うさまをCCメールで見て、私がどれだけの時間と労力を研究以外のところで割かねばならない生活をしているかが、さすがに分かったらしい。
だからといって、がんばった話はハデに吹聴し、ストレスがたまったら周囲におおっぴらに八つ当たりをするような、キミみたいな働き方は決してしないのが、ヒイラギ式。
いつのまにかシレッと終わっている。知らないうちに、この働きがなければ何事も回らなくなっている。静かなウイルスだぞ、ヒイラギは。