自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

探検活動 ~シイの実拾い~

2015-11-28 | 随想

こんなに単純で,素朴な作業が,子どもたちのこころを引き付けるのですから,自然のほんとうの魅力は奥深いものです。ここで使った“こんなに” は,シイの実拾いを指します。

これまでの活動で,すこしばかり,わたしが拾ってきたシイを生で,あるいは炒って試食しました。これが背景にあって,シイの実拾いをたのしみにする子らのこころは増幅していったはず。

実施日は今日11月28日(土)。参加者はおとな4人,子ども15人。自動車に乗って採集地に移動。

そこは由緒ある寺院。山門をくぐると,もう足元には実が! 子ども隊員たちは歓声を上げて拾い始めました。そして,お母さんたちも。

長い石段を上がりながら,ていねいに拾っていきました。小さな粒ですから,集めてもそうたくさんにはなりません。それでも,「あったー!」「かたまってある!」「ここにも!」「もう見分けがつくよ」なんていいながら,どんどん拾っていました。


拾いながら食べ続ける子も。大事に袋に入れ続ける子も。


採集が終わって,近くの公園へ。そこで,携帯ガスコンロとフライパンを使って炒りました。おとなと子どもが力を合わせて作業を進めたのはサイコー!

炒った実をなかよく試食。小さい実なのに,「おいしい」「おいしい」といいながら,熱心に味わっている姿は印象的でした。お菓子が大好きな子らが,こんな地味な,自然の味覚を堪能するのはとてもいいこと。わたしは,参加されたお母さん方とそんな話をしていました。「子どもたち,この味,ぜったいに忘れませんね」。あるお母さんの,このことば,原体験のたいせつさを物語っているように思いました。


試食後,子どもたちは木枯らしのなか,元気に群れて遊び始めました。これは,隊長・副隊長役の子の提案によるもの。歓迎したい動きです。

終わってみれば,2時間半が経過していました。参加者には充実した体験になったでしょう。体験を提供できたことを,仕掛け人として素直に喜びたいと思います。