自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

秋の“虫の目”写真(8)

2015-11-18 | 随想

河川敷にて。

秋が深まります。野山が色づいて,木々が葉を落としかけています。カキの実が熟して赤くなり,葉がゆたかな色に染まってちらちら落ちます。

そんな秋の昼下がり,虫の目レンズを持って川面の傍に立ちました。そこにはまだセイタカアワダチソウが名残り惜しそうに咲いていました。先端はまだ蕾。よほどゆっくり成長していると見えます。

勢いよく咲き誇る花には蜜がたっぷりあるようで,昆虫たちがたくさん訪れていました。ひと際目を引いたのがキタテハ。吸蜜の懸命さは真に立派としかいいようがありませんでした。わたしが近づいても,レンズを1cmにまで近づけてもまったく気にかけていない様子なのです。

秋の空を背景に川面も入れて撮ったのが下写真です。 

 
ゆっくり移動しながら,それでも夢中になって蜜を吸っていました。お蔭で,三脚を使ってじっくり写真に収めることができました。対岸の堤防が大きな弧を描いています。山並みも加わると,なんだか雄大さが際立ちます。なんだか,これらの景色がタテハの眼に見えているような感じさえ。


時間をかけて構図を決めながら撮れるって,ありがたい,ありがたい。キタテハからのプレゼントなのかもしれません。自然となかよくするこころを失わなければ,こんな機会もあるのでしょうか。 (つづく)