自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

秋の“虫の目”写真(2)

2015-11-07 | 随想

11月に入って,虫の数がめっきり減った感じがします。夜,部屋の中に届く虫の音も,じつに細々としています。

今頃の虫の目写真といっても,そう被写体に恵まれるわけではありません。よほど気をつけて見て行かないと,目には飛び込んできてくれません。

堤防を歩いてバッタを探したのですが,1匹も見かけませんでした。クツワムシが見つかっただけ。動きが鈍くって,晩秋を思わせる風景でした。水田の黒豆が色づいています。遠く離れたところに国道が走っています。ちょうどトラックやら乗用車が通り過ぎていきます。こんなのどかな景色の中に,クツワムシのいのちは溶け込んでいるのです。 

 

 
堤防の斜面では,セイタカアワダチソウが群落をつくっていました。花の最盛期はとっくに過ぎていますが,なかに満開状態の花があって,これを敏く見つけたオオハナアブが何匹か訪れていました。ハナアブの向こうは川原。さらに向こうには工場の白い建物。遥か向こうに山並みが続きます。

 


夕闇が 迫る時間帯。土手で見つけたのがメスのツマグロヒョウモン。ミゾソバの茎に抱きついてじっとしていました。どうも飛び立つ気配は感じられません。ねぐらにしようと決めたのでしょうか。それとも,近くで羽化してここまで歩いてきたのでしょうか。それとも,飛べないほどにからだが疲れ切っているのでしょうか。

 


翌朝,撮ったのが下写真。まだいました。


日がどんどん短くなっていきます。身近な自然に目を向けると,虫たちが冬支度を急いでいるように見えます。