普段は見過ごしているモノが、突然気になることがあります。それは本当につまらない物だったり、知ったからといって得をするものでは無かったりします。今回、僕が気になったのは、「定礎」と書かれた石でした。
用事があって役所に行くと、入り口の横に「定礎」と書かれた石が建物に埋め込まれていました。さらに職場に戻り、玄関を入ろうとするとまたもや「定礎」と書かれた石が埋め込まれているではないですか。いや、ここまでならすぐに忘れてしまうのですが、息子の学校に行った時にも同じように「定礎」の文字を見たものですから、「定礎」とは何ぞやと気になったわけです。
少しネットで調べてみると、「うんちくの宝箱」というページに分かり易く紹介してありました。それによると、
建設に際して行なわれる行事の内の一つ「定礎式」で埋め込まれる定礎石と呼ばれるものなので、ヨーロッパの石造建築で基準となる石を置く"CornerStone Laying Ceremony"というものに由来し、本来は建設初期の段階に行われるものだそうです。
ただ日本では、ある程度完成した時点でそれまでの工事に対する感謝とその後の安泰を祈願してハメ込む儀式となっていて、通常は南東の角に定礎石が置かれます。
そして多くの場合、定礎石の奥には「定礎箱」と呼ばれる箱が埋め込まれていて、そこには住所や発注者、施工者などを記した定礎名板や氏神様のお札、建築図面、さらに当日の新聞や通貨、社史などが入っていて、タイムカプセルになっているみたいなのです。
あの「定礎」と書かれた場所にそんな出来事が起こっていようとは想像もしたことがありませんでした。そんなことを知り、例の木村建設や姉歯さんの作った建築物の定礎箱の中身が見てみたいと思ったこの頃です。
たぶん、どこかの建築物であるんでしょうね。
ただ定礎箱は、その建物が壊れるなどしないと見ることが出来ません。
姉歯式建築物なら、見る機会は多いかもしれませんね。