ある時、行事のために手伝ってくれる人をお願いして回っている時でした。
『父子家庭に言われても困るんだよね。』
その言葉を聞いた時、明らかに僕は動揺していました。
冷静さを装ったつもりでしたが、頭は混乱して、顔は紅潮してくるし、汗は噴き出すし、何か言葉を発すると何を言うか分からなかったので黙りこんでしまいました。
おそらく、『ちょっと仕事が忙しくて・・・』とか『その日は他の用事が入っていて・・・』などの返事であれば、仕方ないなぁと納得も出来たのでしょう。
もちろん、それぞれの人には事情があるわけだし、その状況を僕が勝手に判断できるわけでもありません。
僕自身、ひとり親として息子と生活しています。
そして僕の周りの人たちは、それを知っていて様々な面でサポートはしてくれるけれど、だからといって僕や息子がひとり親家庭だということを後ろめたく感じるような関わり方はしません。
だからこそ、僕も息子も支えてくれる周りの人たちのために出来ることはしたいと思っているし、誠実に生きていきたいと思っています。
そこには『父子家庭だから・・・』という概念は全くありません。
そのため、僕は『父子家庭だから』何かが出来ないとは思っていません。
だから、『父子家庭に言われても困るんだよね。』の言葉を聞いた時に、不意を打たれた気になったのです。
自分がハンディキャップ(社会的障害)だと思っていなかったことが、少なくともその人にとってはハンディキャップだったのだと気付かされたのです。
そして、そういうふうに考えている人がまだたくさんいるのだと気付かされたのです。
それと同時に自分がいかに周りの人たちに恵まれているのかも気付かされました。
いつも支えてくれる人たちに感謝です。
ただね、あの言葉を聞いたところには父子家庭の父親ばかり3人だったので、「このメンバーでよくその言い訳をするなぁ。」と正直なところ思いましたけどね。