虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

ネットの記事 最高裁判決

2010-03-18 | 新聞・テレビから
今日の朝日の社説は、昨日の、最高裁の名誉毀損罪の判決について。

一審では、「マスコミや専門家がネットを使って情報を発信する場合と比べ、個人利用者が発する情報の信頼性は一般的に低い」とされ、無罪だったが、最高裁は、個人利用者であっても、活字や放送メデイアと同じ程度の厳しさで適用される、とし、有罪に。

この裁判で罪を受けた人がどんな記事を書いたのか知らないが、この判決はネットで文を書く者にとっては無関心ではいられない。ネットで情報を発信する人たち、とは、新聞社などのプロのメデイアではなく、素人であり、庶民だ。その庶民が好き勝手に書くネット記事にも、メデイアと同じ基準を適用するとは、ネット言論への圧力ではなかろうか。

むろん、個人が個人を誹謗中傷する犯罪は最低であり、論外だ。
しかし、庶民が政治家や権力者、大企業、公共にたずさわる者の批判記事にまで制限されるように感じた。

名誉毀損罪が成立しないのは、「確実な資料、根拠に照らして相当の理由があると認められるときだけ」「一方的な立場からの資料だけではだめで、関係者に事実関係を確認することも必要」だなんて、これは庶民が、新聞記者みたいに確実なウラをとって書かなければならないということか。そんなの無理だろう。

庶民は、政治家についてはもちろん、NHKにも朝日新聞にも大企業についてもネットで自由に批判する。確実な資料はなく、憶測、日頃の感想で書くこともある。ひょっとして、そのうち、名誉毀損罪を適用さっるようになるのか?

朝日の社説は、「安易なネットでの情報発信にくぎをさしたきわめて妥当な判断だ」「自由な発言には責任が伴うことを自覚しないといけないのは、ネット上でも同じことだ」という。

言論の自由に本来、もっと敏感であってよいはずの新聞社が、ネットのトラブルが後を絶たないという理由だけから、最高裁の判決にいとも容易に賛同するのはどうしたわけだ。

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