虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

駄作「十三人の刺客」

2011-06-13 | 映画・テレビ
子供が昨年公開した「十三人の刺客」のDVDをレンタルしていたので、見ないと損と思ってついでに見た。
つまらねー!映画、観に行かなくてよかった。旧作のが出来はよい。

まず、残酷な場面はいらん。よしてくれ、といいたい。
刺客側の作戦、知謀が少しも描かれていない。弓矢を捨て、「斬って斬って斬りまくれ-」だと。太平洋戦争中の無能な陸軍将校の突撃攻撃か?あほー!弓矢こそ、武士の武具だ。あの時代だったら、鉄砲を十分そろえておくのが常識だ。

ゾンビのように次々に襲いかかる敵側の侍たちもありえない。ふつう、おびえて逃げるぜ。あんなに闘志のある武士は見たことない。

坂本龍馬を寺田屋で襲った捕吏がなかなか踏み込めず、龍馬を逃がしてしまったのも、ありうる話だ。みんな、怖いのだ。大塩平八郎が潜んでいた家に奉行所の役人が踏み込む時も、たしか、くじで先頭を決めていたのではなかったか。命を捨てて敵にむかっていくことなんか泰平の時代にはできない。主君のためにあれだけ必死に戦う武士がいたら、徳川幕府は滅んでいません。

馬鹿殿さまの有能な家来半兵衛も、その有能さをまったく描いてもらっていないのはかわいそう。昌平校で学んだ、ということだが、あんな狂った殿様に仕えている武士がほんとに学問を学んだのか大いに疑問だ。

あの不死身の山の民、まったく不要。不要なものが多すぎる。激闘40分ということだが、見る方がいやになってくる。

冒頭に、たしか、「これは事実から生まれた物語である」とかの文字があったように記憶する(不確かだけど)。これも、余計だ。どんな事実をいうのだろう。明石藩の暴虐な殿様に家族を殺された木曽の猟師が殿様を猟銃で暗殺した、という伝説(噂)があることは聞いたことがある。このことだろうか?でも、それは、武士がやったことではなくて、農民だし、あんな馬鹿な戦い方はしていない。この文字も余計だ。

まったく、時代劇をなんだと思っているのだ?感想は人それぞれ。暴言多謝。