虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

袖ふれあうも多生の縁

2010-10-06 | 日記
「すれちがった人たち」シリーズ、おしまいにする。
だって、きりがない。だれだってそうだろうが、人生ですれちがい、印象に残っている人は数限りなくある。それに、あまり過去を回想してばかりもどうかと。

すれちがう人は過去ばかりでなく、現在なお、毎日のようにある。電車で前に座った人、田舎の資料館の受付の人、コンビニのレジのおねえさん、散歩中の老人、いや、人間ばかりではない。犬、猫、ゴキブリ君、路傍に咲く野の花、空の雲、建物、風景・・・。

すれちがった人たちは、ついに自分の人生とは縁のなかった人々と思っていたが、そうではないのではないか。やっぱりすれちがった人たちとも縁があったのかもしれない、と思うようになった。
縁がなければ、すれちがうことさえないのだから。すれちがった縁に感謝すべきかもしれない。

日本だけで一億の人口、過去の世界の人間の数を入れたら、無限数だろう。その中で、たとえ、すれちがいだとしても、目でちらっと見、話ができるだけでも希有のことで、やはり縁があったのではないか。

わたしに踏みつぶされるゴキブリ君。彼だって、おそらくわたしと縁があったのだ。

袖ふれあうも多生の縁。うーん、昔の人は深いことをいってるなあ。
毎日、どんな人、生き物、植物、建物とすれちがうか、楽しみではないか。

縁といえば、本もそうだ。
過去から現在まで膨大な数にのぼる「本」。無縁な本もいっぱいあるが、手にとってさわってみる本はどれも縁があるのだろう。

ブックオフなどに行くと、求めている本に不思議によく出会うことがある。本棚を見ていると、「あなたを待っていたのよ、早く、わたしを買って!」と本がささやきかけるのだ。

本との縁も大切に!(なんだ、これが結びかよ 笑)