虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

古本は娘?

2008-01-22 | 日記
海音寺潮五郎全集全20巻(1巻だけ欠)が今、ネットのオークションで6000円で出されている。6000円だったら安いと思う。古本屋では2万円が相場だ。ただ、箱なしだ。あの全集は箱がなかなかいいので、箱がないのは、たしかに価値が落ちる。しかし、内容は変わらない。送料を入れたら7000円になる。ほしいけど、やっぱり手がでないなあ。10冊は持っているので、やめとこう。

自分の本を古本として売るとしても、これだけは売りたくない、と思う本があるが、海音寺潮五郎もその一人だ。長谷川伸もそう。司馬遼太郎は売ってもいい。別かれても、いつでもどこでも容易にまた手にすることができるからだ。海音寺や長谷川伸となると、一度別れると、また手にするのは簡単ではないからだ。

自分の本を売るといっても、よく見ると自分の本は売り物にならないかもしれない。汚いのだ。帯はすぐ捨てる、書き込みはする、ページは折る、破れ、タバコのヤニ。ブックオフの本には美麗さで負ける。それに苦労して手に入れた本と別れられるだろうか。

古本屋のおやじになるには、本は恋人ではなく、娘と思わなければならないそうだ。いい人に娘が嫁げるように祈るのだそうだ。