らんかみち

童話から老話まで

うらぶれて、田舎に希望を

2011年01月19日 | 暮らしの落とし穴
 以前の日記に「平均年齢47歳のアイドルグループ、IMB47(IMABARI47士)をプロデュースしたい」と書いたけど、種も仕掛けもないところから降って沸いた思いつきじゃなく、島ではこの年齢層が充実しているのです。充実と言うより、言い方を変えれば……口が裂けても言えるかい!

 なになに、「お役所に勤めて平穏な暮らしをしていたけど、お姉ちゃんが嫁ぎ、お母さんを一人暮らしさせられなくて、仕方ないから……」か。なるほどなぁ、世間には良くあるケースかも知れないけど、島のお婆ちゃんたちはことのほか長生きだもんなあ。お母さんが100歳まで生きたとして、娘はそのころ還暦を目前に結婚……出来たら素敵だけど。

 むつかしい話ではあるけど、都会の会社に勤めて激し競走を強いられている若人よ、田舎で包容力のある優しいお姉さん(限りなくおばちゃんに近いが)の胸に抱かれてみてはどうかね?
 そんな風に呼びかけることくらいならぼくにも出来そうなので、近いうちに実行に移そうかと考えております。え、なに、その前に自分が結婚せんかいって? それがぼくの場合は上手くいかないんですなぁ。

 損長だの地域活性化だので家を空けることが多いのですが、今日は出先で苦情の電話が鳴りました。
「おい損長、あんたのお母さん、◯◯さんの家に行って△△したそうやないか、いったいどういうことじゃ!」
 苦情の内容が電話ではさっぱり要領を得ず、慌てて家に戻って母に問いただしても余計に意味不明となり、ご近所さんを訪問したり電話をしてようやく母のしでかした事が飲み込めました。非常に珍しい偶然が重なったせいで、もともと混濁している母の脳みそが、さらにカオス状態となった模様です。

 今夜はぼく一人であちらこちらに謝って回り、明日も母を連れて謝りに回るつもりですが、一軒の家で言われました。
「村の人でお母さんが惚けていることを知らん人はおらんけん、そがに気にせんでもええがぁ」
 気を遣って言ってくれたんでしょうけど、それはそれで申し訳ないし、自分で言い出しておきながら他人様から惚けていると言われたらこたえるなぁ。都会の生活にうらぶれたお姉さんとか、田舎に住んでみる気はないかい?