らんかみち

童話から老話まで

梅干しの本当のところ

2014年08月29日 | 暮らしの落とし穴
                

 梅干しって、土用干しするから「梅を干す」ということなんだろう。法的には、青梅を塩で漬けただけでも梅干しと呼んで良いというのが不思議なんだけど、天日で干すからにはそれなりの訳がある。

 梅漬けは天日に干すことによって、紫外線で梅のお肌の老化を促し、梅の高齢化は加速する。赤外線は梅の果肉を温めて軟弱化させ、種との実離れを良くする。早い話が、若い梅を急速に老化させて老梅にする最も重要な行程が天日に干すことじゃないかな。

 それほど大事な天日干しだけど、本物の梅干しを知らなかったら必要は無い。固い皮や実離れの悪さをかこちつつも、自分で漬けた梅の風味は格別なのだから。
 というか、今年は個人的な諸事情があった上に天候不順も重なって土用干しが敵わなかった。

 まあ、堅い梅は包丁で刻んだらいいし、実離れの悪さも包丁で丁寧にそぎ落としたら良い。日の丸弁当に使うんじゃないなら、干した梅漬けでなくても良いのではないかな。

 そういう行程より、用途に適した梅を選択するのが重要なんだと思う。地元の爺ちゃんから買った小梅は種が大きくて……。
 まあいいや、出来損ないかも知れないけど、スーパーで売られているのより、ずっと美味しいんだから。