らんかみち

童話から老話まで

味噌仕込み初体験

2008年09月14日 | 酒、食
 味噌を仕込んでみました。材料は次の通りですが、手順は省きます。麦麹は母が「ひしお」造り用に仕込んだのをくすねたもので、米麹は市販のもの。大豆はうちの畑で昨年収穫した枝豆の残りです。
 
 大豆(乾燥)200g=水で煮たら400g
 麦麹300g
 米麹350g
 伯方の塩160g
 大島の水200g
 
 この材料比率に何らかのこだわりや根拠があるわけじゃなく、たまたま手持ちの大豆、米麹がこの量だったんです。仮に地元の「今治味噌」というものがあるとして、その原料比は「麦5升(7.5kg)、米1升(1.5kg)、大豆1升(1.2kg)、塩1.4kg」が伝統らしいですから、まるっきり違いますよね。
 これは乾燥容積比なので、実質的には大豆が倍の重さになりますし、麦も大豆ほどではないにしろ重くなります。つまりどうやら、10升=1斗が完成型でしょうか、あぁややこしい!
 
 いずれにしても、今治味噌は麦麹が主体だと断言できるし、こういった麦味噌は全国的にはマイナーだともいえるようです。関西に長く住んで麦味噌の汁をいただくことが少なかったのは、どうやら関西人はあの麦麹の華やかな香りが嫌いだからでしょう。甘みがいくぶん強いのと、こくの無さを指弾する向きもあるか知れませんね。
 
 麦味噌が敬遠されるのは、味の他にも理由があります。味噌汁を作ろうと思ったら味噌こしを使わなくてはならず、面倒だからです。そうしないと麦の茶色っぽい繊維質(麦のふんどし)が汁を汚染し、口当たりやのど越しが不快になります。知らない人はそのまま放り込んで、「麦味噌はだめだ」と即断しがちです。また、ゴーヤチャンプルーなんかを作るのにもそのままでは使えず、調味料としては不便極まりないばかりか、強い芳香ゆえに食材を選びます。 
 
 それで、今回仕込んだ味噌は何味噌なんでしょう? 麦が入っているので麦味噌でしょうが、少ないので香りは強くないでしょう。豆も等量に入ってますが、米も入っているので豆味噌ではありませんし、信州味噌と呼べるほどの米の量でもありません。ということは、味噌こしを使わないといけない、使い勝手が面倒で、香りが弱く、こくが無い、といった中途半端な味噌が出来上がるんでしょうか、ぁりゃりゃー!