らんかみち

童話から老話まで

癌探知犬だったりしたら

2008年09月02日 | 暮らしの落とし穴
 成人病検診を受けたんですが、結果が分かるのは一月半ぐらい後です。心配なのは、S状結腸癌です。そう、先日女優さんが亡くなる原因となった病気で、ぼくも一度ポリプを除去してるんです。あれから7年くらい経ちますから、さぞやポリプたちがたわわに実っていることでしょう。
 
 その次に心配なのは前立腺がんでしょうか。そう、天皇陛下と同じ病気ですね。まさかお尻の穴に指を突っ込んでくれるとは思っていなかったんですが、やっぱり血液検査だけで、胸をなで下ろしました。
 胃癌と肺癌の検診は受けませんでした。バリウム飲むのがいやなのと、タバコをやめて15年くらい経つから大丈夫だろう、と高をくくっているんです。
 
 家に帰って半ズボンで庭木のせんていをやってたら、近所の小型犬が来てぼくの足の臭いを嗅ぎ回ります。
「この野郎、くすぐったくて仕事にならんだろうが。おまえのようなのを足手まといつーんじゃ」
 そういったんですが、一向に態度を改めようとしないばかりか、ぼくの足をガシッと羽交い絞めにしたかと思うと、あろうことか禁断の腰振り始めました。
「いくら俺のすねが毛深いからといって、メス犬と間違えるほどじゃないだろうが!」
 そういってやつを振り払ったら、志半ばで切なかったのでしょう、「キュイ~ン」と鳴きながら去って行きました。人の足をてごめにしようなんて考えたゆえの自業自得。ざまあみろです。
 
 それにしても足とメス犬の区別もつかんとはどういうことかなと、ネットで調べてひっくり返りそうになりました。人の体に腫瘍や癌があるとホルモンのバランスが崩れ、動物ならオスがメスの臭いを発するようになることもあるとか。まさかぼくに女性化が始まって……。だからあの犬が間違えたと? あるいは去年ステロイドの大量投与というでたらめ治療の憂き目に遭ったから、そのせいか? いや、後遺症も治まったはずだから、やっぱり癌なのか!

 人を臭いで判別して癌患者であることを知らせる「癌探知犬」というのは実際にいて、研究の現場ではすでに認知されているようです。ただそういう犬に育てるまでには相当な訓練が必要とも聞いてますから、今はあの近所の犬が単なるバカ犬であることを願うばかりです。