らんかみち

童話から老話まで

またビールを飲むだけの夏を過ごしてしまった

2008年09月07日 | 暮らしの落とし穴
 秋めいたというほどではないにしろ、いくぶん過ごしやすくなったので釣り船のペンキ塗りをしていますと、「なんでもっと早くやらなかったのか」と、近所のお爺ちゃんにとがめられました。
「え~、でもこの夏は猛暑だったしぃ」
「ばか者が! 今夏ほど絶好の釣りコンディションは過去に例が無いんぞ」
「そうだったんですか」
「わりゃあ、なに言うとるんぞ、一度でも台風が来たか?」
 なるほど、言われて初めて気がつきました。たしかに猛暑ではありましたけど、エアコンをつけて寝たことなかったし、台風被害もありませんでした。もしかして二度と無い夏を、ぼくは棒に振ったのでしょうか。

 今年の夏こそ、来年の夏は絶対、と誓いながら、ビールを飲むだけの無為の夏を幾度過ごしてきたでしょう。アフガニスタンで亡くなったNGOの活動家は31歳、モーツァルトは35歳、画家の佐伯 祐三は30歳。人間は長く生きりゃ良いってもんでもないな、と知らしめられた夏でした。