M馬日記(元、日曜レーサー)

塩噴きじいさんの独り言
※2011年11月をもって一時停止
 (再開未定)

【雑記】夕陽

2009年12月14日 | Weblog
久しぶりにとても見事な夕陽でしたね。

だいだい色の超長波をうけてまわりも綺麗なオレンジでいてそれでいて柔らかな
日差し。すぐにサンタフェのカフェでピザを食べる”僕”を思い出したのですが
多分、哲之がみた夕陽はこれの百万倍はすごいオレンジなんだと勝手に想像した
のでした。彼があの人を思い出し泣き出しそうになったように僕も程度の差はあ
れど瞬間ノスタルジーに陥った。それは夕陽のせいか?それともオレンジ色の
せいなのか??

ファーガソンのCDをなにげに探していたらありました。
73年復刻版の「カーニバル」。高校当時はレコードをテープに落としてもらい
すり切れるまで聞いたけどまさかCD化されているとは思いませんでした。
懐かしさもありまたバードランドをどうしても聞きたくてついつい手に。

そこで止めておけばよかったんですけど今にして思えばそれが潜在意識の扉の前
に私を立たせたのだと思います。二十余年、意識・無意識に避けていた吹奏楽の
コーナーにいました。そこには恐ろしい偶然であの曲が入った、しかもあの学校
が演奏した、まさにあれがあったのでした。それを感じた瞬間、鮮明にそして
ほとばしる強さをもって音楽が一気に鳴り響いてきました。そして私は学生服を
着て演奏していたのです。一度なり始めた曲は永遠のリピートで繰り返され、その
強さに圧倒されていました。


志を同じくする友と来る日も来る日も休み無く、もうそれが人生のすべてという
くらい、その時はそんなこと思いもせず当然の毎日でしたが、練習し、悩み、
苦しみ、笑い、泣き、励まし、恋をして・・・でも、ピッチは微妙、あたまも
ずれているところもあるし、何より音がきたない。けれど瞬間、一瞬、見事に
合うところ、すなわち完璧なハーモニーが響き・・。そしてそんなことがどうでも
よくなるくらい、その演奏は「生きて」いてのびやかで人の心にうったえるもの
があり、人を引き込む力があった。

損得勘定や駆け引きがない、純粋な生きる力。ひたむきさ。青春。
「前に、前に・・駆け抜ける己の内なる想い」
もう、あの時もこれからも永久に出会うことがない友との一期一会の出会い。
あの時はそんなことが当たり前で、その出会いが必然であり奇跡なのだと思いも
しなかった。でも、「想い」は長い人生の一瞬だけどもその瞬間、確かに溶け合い
昇華された。


怖かった。
懐かしさもあったが聴くのが恐ろしかった。
聴いてどうしろ?というのだ??

泣きたくなるほどの純粋な気持ちにどう応えればいいのだ?

「うしろめたさ」なのか。

今の自分が情けなく、あの当時の自分に顔向けできないほど、どっぷりと漬かって
しまった自分。

だから逃げていた。
そして二十数年ぶりに聴いたその音は、ほろ苦く、そして取り返しのつかない
無駄な時を過ごしてきた自分を刺して抉った。

今もそこからボトボトと血が流れ落ちている。
その赤。
それが広がり周りを染める鮮やかなオレンジ色。

泣きたくなるくらい悲しく、切なく、情けなく。
でも、私はこれからも生きて行かねばならない。
それは遠い記憶ではなく、ましてや捨て去ることなど決してできない。

原罪というのは言い過ぎか。

「原風景」

そんな時が確かにあったし、今の私なのだ。

これから先、何度繰り返すことになるのだろうか?
その時も、そしてその時まで、私は血を流し続けるのか?

夕陽のオレンジは私をいつまでも照らし包み込んでいる

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