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きらら397発祥の地 晩秋の旭川・その5 旭川の野外彫刻(62)

2021年12月07日 07時46分58秒 | 街角と道端のアート
(承前)

※7日昼、題を手直ししました。

 永山神社から道道37号鷹栖東神楽線を南東に向けて歩きます。
 永山小学校を過ぎると、右手にだだっ広い土地があります。
 上川農業試験場の跡です。

 ちなみに農業試験場は1994年、旭川に近い比布町に移転し、現在の正式名称は「地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部上川農業試験場」という長いものになっています。

 
 農業試験場の跡を示す碑の左手に
「きらら397発祥の地」
という、少し小ぶりの碑がたっています。

 一般的な碑ならこのブログで紹介しないのですが、きらら3 9 7さんきゅうななのマスコットキャラクター「きららちゃん」の像が、碑の上に据え付けられています。

 北海道民の多くはご存じかと思いますが、それまで「やっかいどう米」などとからかわれることもあるなど「まずい」というイメージが定着していた北海道のお米を一変させた、歴史的な存在が「きらら397」です。
 農試の人々の努力によっておいしいお米の開発が始まったのであって(それと現場の努力)、けっして温暖化のために北海道の米の味が改善したのではありません。

 「ななつぼし」「ゆめぴりか」「ふっくりんこ」などに結実している味の良い北海道米の快進撃は、きらら397に始まったと言っても過言ではないでしょう。

 
 道外には、漫画やマスコットキャラクターの像がたくさんありますが、道内は意外と少なく、これはその数少ないひとつです。

 像の作者はわかりませんが、キャラクターのかわいらしいデザインは、イラストレーターの伊藤正道さん(1956~2012、 masamichiito.com/ )が手がけました。
 いまや、すっかり「おいしい北海道米」を象徴する存在としておなじみになっているといえましょう。


 
 なお、永山神社の永山小学校寄りに、この
「上川水田発祥之地」
という碑が立っています(「発」は「發」の新字)。
 とにかく米作りに縁の深い土地なのだといえそうです。
 北海道の農業といえば酪農や畑作のイメージが強いですが、石狩、空知、上川地方を中心に水田が広がっています。盆地で夏が暑い上川は、米作りに向いている地域なのです。
(十勝、オホーツクには水田はごく少なく、釧路、根室、宗谷は寒すぎて米づくりが行われていません)

 揮毫 き ごうは、農相などを歴任した戦後自民党の大物、河野一郎によるものです。


 さて、道路を渡って、上川総合振興局(昔の上川支庁)の敷地に足を向けることにします。





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