北海道美術ネット別館

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■鈴木敏司 井端明男展 (2014年2月28日~3月9日、札幌)

2014年03月08日 01時23分45秒 | 音楽、舞台、映画、建築など
 建築系の展覧会というのはときに、「前説」というか「御宣託」の類が長すぎて、「理屈より、住みやすいか、使いやすいかが大事だろ!」と辟易することがあるが、ギャラリー創でときどき開かれている建築家の展示は、そういう弊に陥っていることはない。
 今回も、苫小牧の「イコロの森」などの模型が2、3置かれているほかは、ふたりの作品を写した写真が、2列にずらーっと展示されているだけ。しかし、写真を見ていると、長々とテキストを書き連ねなくてもじゅうぶんに分かることって、たくさんあるんだよな。木をふんだんに用いた小学校の校舎。天井から太陽光が漏れ、大きな吹き抜けがある。そんな校舎は、とくに理念を文字にしなくたって、そこで学ぶ子どもたちが楽しい思いをすることぐらい、わかるのだ。

 この展覧会を、当ブログの読者におすすめしたいのは、道立帯広、小川原脩記念という二つの美術館が、この二人の作として挙げられているからだ。
 帯広美術館は、展示室の途中で渡り廊下のようなところをかならず通る設計になっている。これが、展示の制約になるよりもむしろ、鑑賞者の導線に独特のリズムを生んでいることは、同館を訪れたことのある人は誰しもがうなずけるところだろう。
 一方、後志管内倶知安町の小川原脩記念美術館は、ふたりの合作。「借景」として機能している羊蹄山の眺望を妨げることなく、落ち着いたたたずまいを見せている。
 さらに、北大の遠友学舎は、鈴木さんの設計である。

 井端さんは、仕事のほとんどが、道内の公共建築であるという。
 それはしあわせなことですね、建築家冥利につきるのでは? と尋ねると、うなずきながらも、いいことずくめというわけでもない、と話しておられたが、それでも、自分の仕事の結晶が、こうして多くの人に親しまれているのは、すてきなことだと思う。


2014年2月28日(金)~3月9日(日)午前11時~午後6時、火曜休み
GALLERY創(中央区南9西6)



・市電「山鼻9条」から約110メートル、徒歩2分
・地下鉄南北線「中島公園」から約350メートル、徒歩5分

・ジェイアール北海道バス山鼻環状線「南9条西7丁目」から約180メートル、徒歩3分
・中央バス西岡平岸線「中島公園入口」から約670メートル、徒歩7分

・トオンカフェから約500メートル、徒歩7分ぐらいです


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