北海道水彩画会(道彩会)は、毎年秋に公募展の「道彩展」を札幌市民ギャラリーで、2月には会員・会友展をギャラリー大通美術館で(以前は札幌時計台ギャラリーで)、それぞれ開いている。
会場に創立会員の小堀清純さん(札幌)がおられたので、写真撮影の許諾を得ることができた。ずっと前から見てきたが、ブログに画像を貼るのは今回が初めて。それがうれしい。
道彩会は、写実的な水彩画が少なく、フォーブ的な作品が多い団体だが、近年は画風が多様化しつつある。
フォーブ系のうちかつて多かった人物画が減っているのが今回の全体的な印象だ。
出品は会員65人のうち53人、会友19人のうち15人で、計68人。
冒頭画像は、左側が小堀さん「廃虚のサイロ」(40号)。
額のガラスが反射しこの画像では分かりづらいが、背景の灰色が平坦に塗られていて、それがかえって凄絶な感覚を伝えている。
右は寺西冴子さん(札幌)の「野のうた」(40号)。
ビリジヤン系の地に、小さな花が白や黄色にちりばめられている。抽象画のようにも見える。名もない花と緑がささやかなハーモニーを奏でているようだ。
人物画は減ったが、強い筆勢の静物画は多く、道彩会の柱のひとつとなっている感がある。
左は門崎幸子さん(札幌)「白椿」(20号)。
テーブルと壁紙が全く同じ赤で塗られており、両者を分かつのは太い線だけという大胆な構図に、マティスを思い出した。赤、青、白の三つの色の面積配分が絶妙。
風景画もある。
左は嶋倉駿子さん(札幌)「天舞う」(40号)。
海の上の夕。雲と光が織りなすドラマを、緑やオーカーなどまで色彩を総動員しながらダイナミックに描いている。
右は河井恵子さん(江別)「降雪」(40号)。
いかにもこの季節にふさわしい作品。
題の通りの作品。右端に目をやると、林の中に建物が隠れており、ともすると単調になりそうな画面に変化を与えている。
このほか、菅原留美子さん(札幌)「赤い女」(20号)は、陰影のない顔の表面が、
版画のような味わい。
黄倉和子さん(江別)「二月の窓」は、窓ごしに見える家々など冬景色を幻想的に描く。
中田やよひさん(札幌)「好日」は、最小限の要素で、花とそれをとりまく空間に迫っている。
2019年2月19日(火)~24日(日)午前10時~午後6時(最終日~4時)
ギャラリー大通美術館(札幌市中央区大通西5 大五ビル)
□道彩展 北海道水彩画会 http://www.ne.jp/asahi/so-bi/net/dousai/
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