ヤングキングアワーズ 2014年7月号
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●ドリフターズ (平野耕太 先生)
いよいよ、勝負も佳境!
島津豊久と土方歳三、白熱しつつ組み打ち状態に・・・
黒王からの撤退命令を受けながらも、豊久の発する熱にうかされるように、殴り合う土方。
もはや戦法も戦術も関係なく、ただのケンカになっているのは面白かった!
豊久の加勢に来たドワーフさんだけでなく、
土方の力で出現している新撰組の霊(?)までもが手持ち無沙汰になって、
互いにあいさつを交わしていたのは笑った゜(*゜´∀`゜)゜
土方、去る。
豊久との決着をつけたいような雰囲気であったものの、
黒王さまがお冠のご様子では、さすがの土方さんも撤退を決意。
ここで、翼竜に乗っかり去ろうとする土方に、豊久がかけた言葉。
「ようやっと日本武士(ひのもとさぶらい)と戦ん出来た思うたに」
これが土方の心に響いていたのは、興味深かったですね。
もともと土方は武士ではなく、農民の出身だったらしいのですが、
それゆえに新撰組においては、武士以上に武士らしくあろうとした・・・
なんて言われたりもしています。
そんな背景を知っていると、“本物の武士”である豊久から「日本武士」と認められたことは、
土方にとって喜びを感じてしまうことだったとしても、おかしくはないわけで、
彼の去り際の笑みからは、何かしら純粋な想いが伝わってくる気がします。
〈廃棄物〉といえど、やはり元は人なのだと・・・・・・
戦後のあれこれ。
無血クーデターの予定が、市街戦によって大損害を被ってしまったオルテ首都・ヴェルリナ。
さすがのサンジェルミ伯も青筋立てて、お怒りモード。
まあ、黒王軍の襲来は想定外だったので、仕方ない気もしますけどね。
とはいえ、放火魔・信長さんへの怒りは正当かも(´▽`;)
そこで、サンジェルミ伯、豊久を補佐する信長さんのことを、
三国志の“軍師”に例えて、孔明や周瑜きどりだけど、
立ち位置が陳宮っぽいと指摘していたのは、的確すぎて愉快でした!
三国志(演義)をご存じである方ならば、意味がわかりやすい例えになっています。
孔明や周瑜は、言わずと知れた“名軍師”で、彼らの仕える大将も秀でた人物。
陳宮も“軍師”としては優秀ですが、仕える大将・呂布は、豪勇無双であっても思慮浅く、
無鉄砲で陳宮の意見など聞き入れないのだから、豊久と重なる面もあろうというもの(^^;
まあ、似ているのは豪勇と無鉄砲さなので、それ以外の違いが、運命を分けるでしょうね。
信長さん、いい笑顔。
サンジェルミ伯から、今後の展望を聞かれた信長さん。
想定外の事態は起きたものの、これ以降の展開は、ある程度予想していたようで・・・?
ヒトラーの作った帝国が大きく割れ、
そこで信長が、戦国さながらの天下布武をめざすとは、
何その仮想戦記シミュレーション! ・・・といった趣。
群雄割拠となる帝国で、統一をめざす展開になるのでしょうか?
黒王の影が迫る中、そんなことで大丈夫なのかどうなのか・・・
各地に〈漂流者〉がいた場合、信長といえど易々と統一事業を進められるとは思えません。
最後にクローズアップされていた、グリビンネン(グ=ビンネン?)商業ギルド。
ここには、かの大日本帝国海軍中将・山口多聞さんがいらっしゃるわけで、
航空戦力を用いた戦い方は、信長さんにとっては未知の領域となるでしょうからね。
他にも、スキピオ&菅野直コンビが、どこへ流れて行ったかも気になる所ですし・・・
まだ見ぬ〈漂流者〉たちも、互いに競い合い、争うことになっちゃったりするのでしょうか?
そう考えると、ますます面白さが増してゆくかもしれません。
歴史を越えた英雄豪傑の競演が、物語をどういった方向へ導いてゆくのか・・・
いろいろ想像を膨らませつつ、今後も楽しみです!